双曲線関数を含む定積分は、一見すると複雑に見えますが、指数関数への変換を利用すると比較的簡単に計算できる場合があります。ここでは、定積分 ∫[0,log2]1/(5coshx-3sinhx)dx を例に、計算の流れを詳しく解説します。
まずは双曲線関数を指数関数に変換する
双曲線関数の定義を用います。
cosh x=(e^x+e^(-x))/2、sinh x=(e^x-e^(-x))/2 です。
したがって分母は次のようになります。
5cosh x-3sinh x=(5/2)(e^x+e^(-x))-(3/2)(e^x-e^(-x))=e^x+4e^(-x)
よって積分は
∫[0,log2] dx/(e^x+4e^(-x))
となります。
分母を整理する
分母に e^x を掛けると、
1/(e^x+4e^(-x))=e^x/(e^(2x)+4)
したがって
∫[0,log2] e^x/(e^(2x)+4) dx
を計算すればよいことになります。
置換積分を行う
ここで t=e^x と置きます。
すると dt=e^x dx となるため、e^x dx=dt です。
積分区間は、x=0 のとき t=1、x=log2 のとき t=2 になります。
よって積分は
∫[1,2] dt/(t^2+4)
となります。
公式を用いて積分する
公式
∫dx/(x^2+a^2)=(1/a)arctan(x/a)+C
を利用します。
a=2 なので、
∫dt/(t^2+4)=(1/2)arctan(t/2)
したがって
(1/2)[arctan(t/2)][1→2]
=(1/2)(arctan1-arctan(1/2))
となります。
角度の差を整理する
arctan1=π/4 です。
また、公式
arctan a-arctan b=arctan((a-b)/(1+ab))
を用いると、
π/4-arctan(1/2)=arctan((1-1/2)/(1+1/2))
=arctan(1/3)
となります。
したがって答えは
(1/2)arctan(1/3)
です。
まとめ
この問題では、双曲線関数を指数関数に直し、さらに t=e^x と置換することで基本的な有理関数の積分に帰着できました。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | cosh x、sinh x を指数関数に変換 |
| 2 | 分母を e^x+4e^(-x) に整理 |
| 3 | t=e^x と置換 |
| 4 | ∫dt/(t^2+4) を計算 |
| 5 | 逆正接の差を整理 |
最終結果は ∫[0,log2]1/(5coshx-3sinhx)dx=(1/2)arctan(1/3) となります。


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