函数論では、多価関数の主枝(principal branch)や解析接続に関する問題が頻繁に登場します。特に複素数のn乗根は複数の値を持つため、主枝と他の枝の関係を理解することが重要です。ここでは、φ₀(z)をz^(1/3)の主枝としたときのφ₀^(k)(z)の求め方を解説します。
z^(1/3)が多価関数になる理由
複素数zを極形式で表すと、z=re^(iθ)となります。
ただし偏角θは一意ではなく、θ+2πn(nは整数)も同じ複素数を表します。
そのため3乗根は
z^(1/3)=r^(1/3)e^((i(θ+2πn))/3)
となり、異なる値が3個存在します。
主枝φ₀(z)とは
通常、主値の偏角Arg zを -π<Arg z<π と定めます。
このとき主枝は
φ₀(z)=|z|^(1/3)e^(iArg(z)/3)
で与えられます。
これはz^(1/3)の3つある枝のうち代表として選ばれたものです。
他の枝の求め方
偏角を一周すると2πだけ増加します。
したがって3乗根では
e^(i·2π/3)
が掛かることになります。
一般にk番目の枝は
φ₀^(k)(z)=e^(2πik/3)φ₀(z)
と表されます。
これは解析接続によって得られる各枝の一般形です。
具体的な枝を書いてみる
| k | 枝 |
|---|---|
| 0 | φ₀(z) |
| 1 | e^(2πi/3)φ₀(z) |
| 2 | e^(4πi/3)φ₀(z) |
3乗根なので枝は全部で3個です。
k=3になると e^(2πi)=1 となり再び主枝に戻ります。
なぜこの形になるのか
複素平面上で原点の周りを1周すると偏角は2π増加します。
すると3乗根の偏角は2π/3だけ増加します。
その結果、値はe^(2πi/3)倍されます。
これをk回繰り返したものが一般式
φ₀^(k)(z)=e^(2πik/3)φ₀(z)
です。
まとめ
φ₀(z)をz^(1/3)の主枝とすると、解析接続によって得られるk番目の枝は
φ₀^(k)(z)=e^(2πik/3)φ₀(z)
となります。3乗根のため枝は3個存在し、k=0,1,2で全ての枝を表せます。函数論では偏角の変化と複素指数関数の関係を理解すると、多価関数の問題をスムーズに解けるようになります。


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