古文「親、からうじて、はるかに遠きあづまになりて」の意味と「なりて」の文法を解説

文学、古典

古文を現代語訳するとき、「なり」などの基本的な助動詞や動詞が複数の意味を持つため、どの意味で使われているのか迷うことがあります。「親、からうじて、はるかに遠きあづまになりて」という一文も、「あづまになりて」の「なりて」がどのような意味なのかを理解することが重要です。この記事では、この表現の意味や文法上のポイントを詳しく解説します。

「親、からうじて、はるかに遠きあづまになりて」の全体の意味

まず、この一文を部分ごとに分けて考えると理解しやすくなります。

  • 親……父母、親
  • からうじて……やっとのことで、かろうじて
  • はるかに遠き……非常に遠い
  • あづま……東国、東の地方
  • になりて……〜になって

つまり全体としては、「親が、やっとのことで、はるか遠い東国へ行くことになって」というような意味になります。

ただし、文章の前後関係によっては、「親が東国の人になった」「東国へ移り住むようになった」という意味になる場合もあります。そのため、現代語訳では文脈を確認することが大切です。

「なりて」の「なり」は何の意味か

この場合の「なり」は、断定の助動詞「なり」ではなく、動詞「成る(なる)」です。

古文の「なる」には、現代語と同じように「ある状態になる」「変化する」という意味があります。「あづまになりて」は、「東国になる」ではなく、「東国の状態になる」「東国へ行ってその土地の人になる」という変化を表しています。

例えば、「僧になりて」という表現なら「僧になる」という意味です。同じように「あづまになりて」は「あづま(東国)になる、つまり東国へ移る」という意味になります。

「なりて」の活用と文法的な見方

「なりて」は、動詞「なる」の連用形「なり」に接続助詞「て」が付いた形です。

文法的に分解すると以下のようになります。

品詞 意味
なり 動詞「なる」連用形 〜になる、変化する
接続助詞 〜て、〜ので、〜そして

したがって、「なりて」は「なって」「なり、そして」という意味になります。

断定の助動詞「なり」と間違えやすい理由

古文の「なり」には、大きく分けて動詞「なる」と助動詞「なり」があります。そのため、読解ではどちらなのかを判断する必要があります。

断定の助動詞「なり」は、「〜である」「〜だ」という意味を表します。例えば「これは花なり」なら「これは花である」という意味になります。

一方、「あづまになりて」の場合は、「あづま+なる」という形で、場所や状態の変化を表しているため、動詞「なる」と判断します。

現代語訳するときの考え方

古文を訳すときは、一つの単語だけを見るのではなく、前後の関係を考えることが重要です。「なり」を見たらすぐに「〜である」と訳すのではなく、変化を表していないか確認します。

今回の場合、「あづま」という場所を表す言葉と一緒に使われています。そのため、「東国である」という断定ではなく、「東国になる、東国へ移る」という変化の意味になります。

例えば「都より田舎になりて」という文章なら、「都から田舎になる」という変化を表すように、「なる」は場所の移動や状態の変化を表現できます。

まとめ

「親、からうじて、はるかに遠きあづまになりて」の「なりて」は、断定の助動詞ではなく、動詞「なる」の連用形+接続助詞「て」です。

意味は「〜になる」「〜へ移る」という変化を表しており、「あづまになりて」は「東国へ移るようになって」「東国の地へ行くことになって」と解釈できます。

古文の「なり」は判断が難しい単語ですが、前後の言葉や文脈を見ることで、動詞なのか助動詞なのかを判断できるようになります。

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