ラグランジュ補間による多項式補間の証明|N個の点を通る次数N−1以下の多項式の存在条件

大学数学

大学数学で扱われる多項式補間の問題は、与えられた複数の点を1つの多項式で結ぶことができるかを考える重要なテーマです。特に、異なるx座標を持つN個の点を通る多項式が存在する条件は、線形代数学や解析学にもつながる基本的な考え方になります。

この記事では、N組の実数の組((x_n,y_n))に対して、次数m以下の実数係数多項式fが存在する条件がなぜm≥N−1になるのか、またm≥Nの場合になぜ解が無限個存在するのかを、ラグランジュ補間多項式を用いてわかりやすく解説します。

N個の点を通る多項式を求める問題の意味

今回考えるのは、x座標がすべて異なるN個の点(x_1,y_1),(x_2,y_2),…,(x_N,y_N)が与えられたとき、それらすべてを通る多項式f(x)が存在するかという問題です。

P_mは次数がm以下の実数係数多項式全体なので、f∈P_mとは、f(x)=a_mx^m+…+a_1x+a_0のような形の式を表します。

次数が低すぎる多項式では自由に形を変える能力が不足します。そのため、N個の点を自由に通るためには最低でもN−1次の次数が必要になります。

ラグランジュ補間多項式による存在証明

N個のx座標が互いに異なるため、次のような多項式を考えることができます。

L_i(x)=∏_{j≠i}(x-x_j)/(x_i-x_j)

このL_i(x)は、x=x_iのときだけ1になり、それ以外のx=x_j(j≠i)では0になります。

つまり、L_i(x)はi番目の点だけを選び出す働きをする特殊な多項式です。これを利用すると、次の多項式を作れます。

f(x)=Σ_{i=1}^{N}y_iL_i(x)

x=x_kを代入すると、L_k(x_k)=1で、それ以外のL_i(x_k)は0になるため、f(x_k)=y_kとなります。

また、L_i(x)はN−1個の因子を持つため次数はN−1以下です。したがって、必ずf∈P_{N−1}が存在します。

必要条件としてm≥N−1であることの証明

次に、なぜmがN−2以下では不可能なのかを考えます。

もしm≤N−2で、どんな点の取り方でも条件を満たす多項式が存在すると仮定します。

次数m以下の多項式は、係数がa_0からa_mまでのm+1個しかないため、自由に決められる数はm+1個です。一方、N個の条件f(x_n)=y_nを満たす必要があります。

多項式の係数を未知数と考えると、N個の条件に対して未知数がm+1個しかありません。m≤N−2ならm+1≤N−1となり、条件の数より自由度が不足します。

そのため、すべての点の取り方に対応できることはありません。特定の点配置では解が存在する場合もありますが、「任意の取り方で存在する」ためにはm≥N−1が必要になります。

m≥N−1が必要十分条件になる理由

以上より、ラグランジュ補間によってm=N−1の場合には必ず解が存在することがわかりました。

また、m

したがって、任意のN組の点に対してf∈P_mが存在するための必要十分条件は、m≥N−1となります。

m≥Nの場合に解が無限個存在する理由

次に、次数がさらに大きい場合を考えます。

m=N−1なら、ラグランジュ補間によって得られる多項式は基本的に1つです。しかしm≥Nの場合、次数に余裕があるため、別の多項式を追加できます。

すでに条件を満たす多項式をf_0(x)とします。そして、

g(x)=(x-x_1)(x-x_2)…(x-x_N)

という多項式を考えます。

このg(x)は、すべてのx_nで0になります。そのため、任意の定数cに対して、

f(x)=f_0(x)+cg(x)

と置いても、x_nを代入するとcg(x_n)=0なので、f(x_n)=y_nの条件を保ちます。

さらにg(x)の次数はNなので、m≥NならばこのfもP_mに含まれます。

cは任意の実数を選べるため、異なるcごとに異なる多項式が得られます。よって解は無限個存在します。

具体例で見る多項式補間の考え方

例えば3つの点(1,2)、(2,5)、(3,10)を通る多項式を考える場合、N=3なので必要な次数はN−1=2です。

つまり2次関数を使えば、必ずこの3点を通る式を作ることができます。しかし3次以上の多項式を許せば、同じ3点を通る別の式を無限に作ることができます。

これは、3次以上の多項式には余分な自由度があり、3点以外の場所で自由に形を変えられるためです。

まとめ

N個のx座標が異なる点をすべて通る次数m以下の多項式が、点の取り方によらず存在する条件はm≥N−1です。

ラグランジュ補間を使うことで、N−1次以下の多項式が必ず作れることが示されます。また、次数がN以上になると、すべての点で0になる多項式を追加できるため、同じ条件を満たす多項式が無限個存在します。

この考え方は、数値解析における補間法や線形代数学の基礎にもつながる重要な内容です。

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