陰関数で定義された多変数関数の微分は、通常の明示関数の微分とは異なり、変数同士が相互依存しているため整理が必要になります。本記事では、yとzがxに対して陰的に定義されている場合の導関数の求め方を、基本から順を追って解説します。
問題設定と陰関数の意味
与えられた式y=f(x,y,z), z=φ(x,y,z)は、yとzがxの関数であると同時に、互いにも依存している構造を持っています。
このような形は「陰関数」と呼ばれ、直接y(x), z(x)の形に解けない場合でも微分が可能です。
重要なのは、yとzもxの関数として扱い、連鎖律を適用することです。
基本戦略:全微分を使う
まず両辺をxで微分し、y’ = dy/dx、z’ = dz/dxとおきます。
すると右辺のfやφもx,y,zの関数なので、偏微分と連鎖律を用いて展開します。
これによりy’とz’を含む連立方程式が得られます。
連鎖律による微分の展開
y=f(x,y,z)を微分すると、y’ = f_x + f_y y’ + f_z z’となります。
同様にz=φ(x,y,z)からz’ = φ_x + φ_y y’ + φ_z z’が得られます。
ここでf_xはxによる偏微分、f_yはyによる偏微分を意味します。
y’とz’の連立方程式の解法
上記2式はy’とz’についての一次連立方程式になります。
整理すると(1 – f_y)y’ – f_z z’ = f_x、-φ_y y’ + (1 – φ_z)z’ = φ_xの形になります。
これを行列形式または代入法で解くことでy’とz’を求められます。
解の存在条件とヤコビアン
この連立方程式が一意に解けるためには、係数行列の行列式が0でないことが必要です。
これはヤコビアンと呼ばれ、陰関数定理の成立条件とも一致します。
この条件が満たされることで、y(x), z(x)が局所的に定義されます。
まとめ:陰関数微分の本質
陰関数の微分は「変数を独立と見なさず、すべてをxの関数として扱う」ことが核心です。
連鎖律により連立方程式を作り、それを解くことで導関数が得られます。
この手法は多変数の陰関数問題に共通する基本構造となっています。


コメント