1からnまでの数字が書かれたカードが2組あり、そこからm枚を選んだとき、すべて異なる数字になる確率を考える問題では、確率そのものだけでなく、その値にmを掛けた量の変化を調べることが重要になります。
この記事では、確率pₙ(m)を用いて「m・pₙ(m)>(m+1)・pₙ(m+1)を満たす最小のm」を求める考え方を、式変形の流れに沿ってわかりやすく解説します。
問題の設定と確率pₙ(m)の意味
1からnまでの数字が書かれたカードが2枚ずつ存在するため、全部で2n枚のカードがあります。この中から無作為にm枚選び、そのm枚の数字がすべて異なる確率をpₙ(m)とします。
同じ数字のカードは2枚ずつあるため、最初の1枚を選んだ後、次に同じ数字を避けるには選択できるカードの数が減っていきます。
mがn以下の場合、すべて異なる数字を選ぶ確率は、順番に考えると次のようになります。
pₙ(m)=1×(2n−2)/(2n−1)×(2n−4)/(2n−2)×…×(2n−2(m−1))/(2n−(m−1))
一方、mがn+1以上になると、数字の種類はn種類しかないため、必ず同じ数字が重複します。そのためpₙ(m)=0となります。
m・pₙ(m)と(m+1)・pₙ(m+1)を比較する
求めたい条件は、m・pₙ(m)>(m+1)・pₙ(m+1)です。つまり、mを増やしたときに値が減少し始める境目を探します。
mがn以下の範囲では、pₙ(m)とpₙ(m+1)の比を利用すると計算が簡単になります。
まず、m・pₙ(m)を①、(m+1)・pₙ(m+1)を②とすると、共通する部分を消去できます。
①=m×(2n−2)(2n−4)…(2n−2(m−1))/((2n−1)(2n−2)…(2n−(m−1)))
②=(m+1)×(2n−2)(2n−4)…(2n−2m)/((2n−1)(2n−2)…(2n−m))
共通部分を約分すると、①>②の条件は次の不等式になります。
m>(m+1)(2n−2m)/(2n−m)
不等式を整理してmの条件を求める
上の式を変形していきます。
m(2n−m)>(m+1)(2n−2m)
左辺を展開すると、2nm−m²になります。右辺は2nm+2n−2m²−2mです。
したがって、
2nm−m²>2nm+2n−2m²−2m
整理すると、
m²+2m>2n
両辺に1を加えることで、
(m+1)²>2n+1
となります。
つまり、mは次の条件を満たす必要があります。
m+1>√(2n+1)
よって、
m>√(2n+1)−1
最小のmの求め方
mは整数であるため、条件を満たす最小値は、√(2n+1)−1より大きい最初の整数になります。
そのため、最小のmは、
m=⌊√(2n+1)−1⌋+1
と表すことができます。
ただし、√(2n+1)−1がちょうど整数になる場合は、その値では不等式が「>」を満たさないため、さらに1大きい値になります。この点に注意が必要です。
具体例で確認する
例えばn=10の場合を考えると、
√(2×10+1)−1=√21−1
となります。√21は約4.58なので、
m>3.58
となり、最小の整数mは4になります。
このように、確率を直接計算するよりも、隣り合う値の比を比較することで、最大値や減少するタイミングを効率的に求めることができます。
まとめ
2組のカードからm枚を選び、すべて異なる数字になる確率pₙ(m)について、m・pₙ(m)>(m+1)・pₙ(m+1)となる条件を調べると、共通部分を約分することで簡単な不等式に変形できます。
最終的に、
(m+1)²>2n+1
が得られるため、最小のmは√(2n+1)−1を超える最初の整数として求められます。
確率の最大値を探す問題では、直接計算するのではなく、隣り合う項の大小関係を比較する方法が有効です。


コメント