インバータエアコンは、省エネ性能が高い家電として広く使われていますが、その仕組みについては「家庭の交流電気を直流に変えて動いているのか」「そもそもモーターは交流では動かないのか」と疑問に感じる人も少なくありません。
実際には、インバータエアコンでは電気を変換しながらモーターを細かく制御しています。この記事では、インバータエアコンの内部で行われている電力変換や、交流モーターとの関係について詳しく解説します。
インバータエアコンは交流電気を直流に変換しているのか
一般家庭のコンセントから供給されている電気は交流電流(AC)です。日本では一般的に100Vの交流電源が使われています。インバータエアコンは、この交流電気をそのままモーターへ送っているわけではありません。
インバータエアコンの内部では、まず交流電気を直流電気(DC)へ変換します。この処理を「整流」と呼び、電源回路の中にある部品によって行われます。
ただし、目的は単純に直流でモーターを回すことではありません。直流に変換した後、再び必要な周波数や電圧の交流電気を作り出してモーターを制御しています。
インバータとは電気の周波数を変える装置
インバータという言葉は「直流を交流に変換する装置」という意味があります。エアコンの場合は、交流を直流に変換した後、その直流から自由に調整した交流を作り出しています。
この調整された交流によって、エアコン内部のコンプレッサー用モーターの回転速度を変えることができます。例えば、部屋を急速に冷やしたいときはモーターを速く回し、設定温度に近づくと回転を落として運転します。
昔のエアコンではモーターを一定速度で動かし、温度調整のためにオン・オフを繰り返していました。インバータ制御では連続的に出力を変えられるため、無駄な電力消費を減らすことができます。
モーターは交流では動かないのか
「モーターは交流では動かない」というわけではありません。実際に、多くのモーターは交流電気で動作します。家庭にある扇風機や洗濯機などにも交流モーターが使われています。
交流モーターは、交流電流によって発生する磁界の変化を利用して回転します。ただし、一般的な交流モーターでは回転速度を細かく変えることが難しい場合があります。
インバータエアコンでは、交流モーターの一種であるインバータ制御対応のモーターを使い、供給する交流の周波数を変えることで回転速度を自在に調整しています。
インバータエアコンで直流モーターが使われる理由
現在の多くのインバータエアコンでは、ブラシレスDCモーターと呼ばれる種類のモーターが採用されています。このモーターは内部では直流電源を利用しますが、実際の制御には電子回路による高度な電力制御が必要です。
ブラシレスDCモーターは、従来のモーターに比べて効率が高く、回転速度を細かく調整しやすい特徴があります。そのため、エアコンのように長時間運転する機器に適しています。
例えば、夏場にエアコンを使用するとき、最初は強力な冷房が必要ですが、室温が下がった後は弱い運転で十分です。モーターの回転数を細かく変えられることで、快適さと省エネを両立できます。
インバータエアコン内部の電気の流れ
インバータエアコンの基本的な電気の流れは、以下のようになります。
交流電源(AC)→整流回路→直流電源(DC)→インバータ回路→調整された交流→モーター
つまり、家庭から来た交流電気を一度直流に変換し、その後モーターを動かすために最適な交流へ変換しています。
この複雑な変換を電子回路で高速に制御することで、エアコンは必要な能力だけを使って運転できるようになります。
まとめ|インバータエアコンは電気を変換してモーターを効率制御している
インバータエアコンは、コンセントから届く交流電気を一度直流に変換し、その後インバータ回路によって制御された電気を作り出してモーターを動かしています。
モーターは交流でも動作しますが、インバータ技術によって周波数や電圧を自由に調整することで、回転速度を細かく変えられるようになっています。
この仕組みによって、必要なときだけ大きな力を使い、温度が安定した後は省エネ運転ができるため、現在のエアコンではインバータ方式が主流になっています。


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