極方程式r=1/cosθの意味とは?θの範囲を任意にしてよい理由と定義できない角度を解説

高校数学

極座標の問題では、極方程式の形だけを見ると「θはどんな値でもよいのか」「分母が0になる場合はどう考えるのか」と疑問に感じることがあります。特に直線の極方程式では、式の上ではθが任意に見えても、実際にはその点が表す意味を理解する必要があります。この記事では、始線OX上の点A(1,0)を通り、始線に垂直な直線の極方程式r=1/cosθについて、θの範囲や定義できない場合の考え方を詳しく解説します。

極方程式r=1/cosθが表している直線

極座標では、点(x,y)を(r,θ)で表します。通常の直交座標との関係は、

x=r cosθ、y=r sinθ

です。

点A(1,0)を通り、始線OXに垂直な直線とは、x軸に垂直な直線なので、x=1という直線になります。

極座標の式に変換すると、

r cosθ=1

となります。

これをrについて解くと、

r=1/cosθ

となり、これが求める極方程式です。

θは本当に任意の値でよいのか

教科書にθの範囲が書かれていない場合、「θはどんな値でもよい」と考えてしまいがちですが、正確には少し注意が必要です。

極方程式r=1/cosθは、cosθが0でない範囲で意味を持ちます。

つまり、

cosθ≠0

である必要があります。

cosθ=0となるのは、

θ=π/2、3π/2、5π/2、…

のような角度です。

これらの角度では分母が0になるため、r=1/cosθという形ではrを定義できません。

θ=π/2の場合に何が起こるのか

θ=π/2では、cos(π/2)=0なので、

r=1/0

となり、普通の数としてのrは存在しません。

しかし、これは「その方向に点がない」という意味ではありません。

θ=π/2の方向はy軸方向です。この方向にどれだけ進んでも、x座標は常に0になります。

一方、この直線はx=1なので、y軸方向の直線上には交わる点がありません。

つまり、θ=π/2方向に伸ばした半直線は、求める直線x=1と交わらないため、対応するrが存在しないのです。

θ=2π/3の場合は定義できるのか

θ=2π/3では、

cos(2π/3)=-1/2

なので、

r=1/(-1/2)=-2

となります。

この場合、rは負の値になります。

極座標では、rが負になることも許されています。負のrは、角度θの反対方向に距離|r|だけ進むことを意味します。

つまり、θ=2π/3方向に向かって進むのではなく、反対方向であるθ=5π/3方向に2だけ進んだ場所が、直線x=1上の点になります。

したがって、θ=2π/3ではrは問題なく定義できます。

なぜ教科書ではθの範囲を書かないことがあるのか

極方程式では、同じ点を複数の(r,θ)で表すことができます。そのため、図形全体を表す場合にはθの範囲を細かく指定しないことがあります。

今回の直線の場合も、cosθが0になる方向を除けば、さまざまな角度から直線上の点を表すことができます。

そのため教科書では簡略化して、特別な制限を書かずに表記することがあります。

ただし、厳密には「θは任意」ではなく、「cosθ≠0となるθについて成立する」と考えるのが正しいです。

まとめ|極方程式では式だけでなく図形の意味を見る

r=1/cosθは、直線x=1を極座標で表した式です。

θ=π/2のようにcosθ=0となる場合は、分母が0になるためrは定義できません。これは、その方向の半直線が直線x=1と交わらないためです。

一方、θ=2π/3のようにcosθが0でなければ、rが負になっても極座標では問題ありません。

極方程式を理解するときは、単なる式変形だけではなく、「その角度の方向に進んだとき、目的の図形と交わるか」という図形的な意味を考えることが重要です。

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