複素数平面上で定義される関数Φ(z)=z/|z|は、原点を除く複素数全体で定義される基本的な写像の一つです。本記事では、この関数が連続であることを、ε-δ論法および位相的定義の両面から整理しながら解説します。
問題設定と関数の定義
集合Y=C\{0}に対して、関数Φ:Y→CをΦ(z)=z/|z|と定めます。
これは複素数zを「大きさ1の複素数」に正規化する写像です。
直感的には、複素平面上の点を単位円上へ射影する操作と捉えられます。
連続性の定義の確認
ε-δ定義では、任意のε>0に対し、あるδ>0が存在し、|z-w|<δなら|Φ(z)-Φ(w)|<εとなることを示します。
また位相空間の定義では、開集合の逆像が開集合になることを確認します。
本関数は距離空間C上の写像であるため、両方の定義を適用できます。
幾何学的な直感
Φ(z)は複素数zを原点からの方向だけに変換する操作です。
つまり「向きは保ち、大きさだけを1にする」写像です。
この性質により、極形式z=re^{iθ}ではΦ(z)=e^{iθ}となります。
ε-δによる連続性の証明の考え方
Φ(z)=z/|z|は原点以外では滑らかな関数として振る舞います。
差の評価は三角不等式を用いて|z/|z|-w/|w||を上から抑える形になります。
|z|が0から離れている範囲では分母が安定し、連続性が保証されます。
位相的な視点からの証明
Φは「連続な基本関数(絶対値・商・恒等写像)」の合成として表せます。
絶対値関数と除算は原点を除けば連続であり、その合成も連続です。
したがってY=C\{0}上でΦは連続関数となります。
注意すべきポイント
重要なのは、定義域から原点が除かれている点です。
z=0では|z|=0となり、関数が定義できません。
そのため連続性の議論は必ずY上で行う必要があります。
まとめ
Φ(z)=z/|z|は複素数を単位円上に写す基本的な写像です。
原点を除く範囲では、ε-δ的にも位相的にも連続性が確認できます。
幾何的直感と解析的定義の両方から理解することが重要です。


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