ルジャンドル多項式は、微分方程式やフーリエ解析、量子力学などで頻繁に登場する重要な直交多項式です。特に大学数学や応用数学では、ルジャンドル多項式同士の内積である ∫[-1,1]Pm(x)Pn(x)dx を求める問題がよく出題されます。この記事では、ロドリゲスの公式から出発し、この積分の値を導く考え方を解説します。
ルジャンドル多項式の定義
ルジャンドル多項式 Pn(x) はロドリゲスの公式によって次のように定義されます。
Pn(x)=1/(2^n n!)・d^n/dx^n[(x^2-1)^n]
この定義から、Pn(x) は n 次多項式であり、区間 [-1,1] 上で特別な直交性を持つことが知られています。
求める積分の基本結果
ルジャンドル多項式の最も重要な性質は直交性です。
すなわち、m≠n のとき
∫[-1,1]Pm(x)Pn(x)dx=0
となります。
これは異なる次数のルジャンドル多項式同士が互いに直交していることを意味します。
なぜ m≠n のとき積分が0になるのか
ロドリゲスの公式を用いて Pm(x) を積分の中へ代入し、部分積分を m 回繰り返します。
すると境界 x=±1 において (x^2−1)^m が0になるため、境界項は全て消えます。
結果として、Pn(x) の m 階微分との積分に帰着します。
ところが m>n の場合、Pn(x) は n 次多項式なので m 階微分すると0になります。
よって m≠n の場合は積分値が0になります。
m=n の場合の計算
m=n のときは直交性だけではなく規格化定数を求める必要があります。
同様にロドリゲスの公式と部分積分を用いて計算すると、最終的に次の有名な公式が得られます。
∫[-1,1]Pn(x)^2dx = 2/(2n+1)
例えば最初の数項を確認すると次のようになります。
| n | Pn(x) | 積分値 |
|---|---|---|
| 0 | 1 | 2 |
| 1 | x | 2/3 |
| 2 | (3x²-1)/2 | 2/5 |
いずれも公式 2/(2n+1) と一致します。
最終結果
したがって、ルジャンドル多項式の直交性は次のようにまとめられます。
∫[-1,1]Pm(x)Pn(x)dx = 0 (m≠n)
∫[-1,1]Pn(x)^2dx = 2/(2n+1)
これらを一つの式で書くと
∫[-1,1]Pm(x)Pn(x)dx = (2/(2n+1))δmn
となります。ただし δmn はクロネッカーのデルタです。
まとめ
ルジャンドル多項式は区間 [-1,1] 上で直交する代表的な直交多項式です。
ロドリゲスの公式と部分積分を用いることで、異なる次数では積分が0になり、同じ次数では 2/(2n+1) になることが示せます。
そのため求める積分の答えは、m≠n のとき0、m=n のとき 2/(2n+1) です。これはルジャンドル多項式の直交性として、解析学や物理学で頻繁に利用される重要な公式です。


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