三角関数の最大値・最小値を微分を使わずに求める問題は、大学数学や数学オリンピック系の問題集でも頻繁に登場します。重要なのは、加法定理・積和公式・平方完成・相加相乗平均・ベクトル的解釈などを使って式を変形することです。本記事では、代表的な問題の解法パターンと、実際に解いてみて難しいと感じる問題を紹介します。
比較的易しい問題群
(i)~(iv)、(ix)、(x)、(xi)あたりは高校数学の基本公式だけで処理できます。
| 問題 | 主な解法 |
|---|---|
| (i) sinx+cosx | 合成 √2sin(x+π/4) |
| (ii) sinxcosx | 1/2sin2x |
| (iii) cos2x+cosx | cosx=tと置換 |
| (iv) sinxcosx+sin²x | 平方完成 |
| (ix) |sinx|+|cosx| | 二乗して評価 |
| (x) √(1-sinx)+√(1+sinx) | 二乗して評価 |
| (xi) sin2x+2sinx | sinx=tと置換 |
例えば(i)は、sinx+cosx=√2sin(x+π/4)なので最大値√2、最小値-√2がすぐ求まります。
中級レベルで面白い問題
(v)、(vi)、(viii)、(xii)、(xiii)、(xiv)は発想力が必要です。
(v) (sinx+sin4x)²+(cosx+cos4x)²
展開すると
2+2(cosxcos4x+sinxsin4x)
となります。
加法定理より
2+2cos3x
=4cos²(3x/2)
したがって最大値4、最小値0です。
(vi) sinxcosx+sinx+cosx
u=sinx+cosxと置くと
sinxcosx=(u²-1)/2
なので
f=(u²-1)/2+u
ここで-√2≤u≤√2です。
二次関数として扱えば最大値・最小値が求まります。
(viii) sinx+√(20-10sinx)
t=sinxと置いて
f(t)=t+√(20-10t)
(-1≤t≤1)
の最大最小問題に帰着できます。
平方完成や端点評価で処理可能です。
特に難しいと感じる問題
個人的に最も難しいのは(xii)、(xiv)、(xv)です。
(xii) (4sinx+√5)/(4cosx+2√5)
分数型三角関数の最大最小問題です。
t=tan(x/2)置換や、
a sinx+b cosx=c
型へ変形する必要があります。
微分なしで処理する場合、かなり技巧的です。
(xiv) sinx+siny+sin(x+y)
有名問題です。
u=(x+y)/2、v=(x-y)/2と置くと
f=2sinu cosv+sin2u
=2sinu(cosv+cosu)
まで整理できます。
最大値は3√3/2、最小値は-3√3/2となります。
この問題は大学入試や数学オリンピック予選レベルでも頻出です。
(xv) sinxsinysin(x+y)
今回のリストで最難関候補です。
対称性を利用し、x=yと仮定して候補を探したり、uvw法に近い発想を使います。
実際には
x=y=π/3
で最大値
(√3/2)²×(√3/2)
=3√3/8
が達成されます。
厳密証明にはかなり高度な不等式処理が必要です。
二変数問題で有効な考え方
(vii)、(xiii)、(xiv)、(xv)のような二変数問題では次の発想が有効です。
- x+yとx-yへ変換する
- 対称性を見る
- 三角恒等式で積を和へ変換する
- 平方完成する
- ベクトルの内積として解釈する
特にu=(x+y)/2、v=(x-y)/2の置換は非常に強力です。
微分なし最大最小問題の典型テクニック
| テクニック | 代表問題 |
|---|---|
| 合成公式 | (i)(vi) |
| 二倍角公式 | (ii)(iii)(xi) |
| 置換 t=sinx | (iii)(viii)(xi) |
| 積和公式 | (v)(xiv)(xv) |
| x+y,x-y変換 | (vii)(xiv)(xv) |
| 平方完成 | (iv)(vi) |
多くの問題はこれらの技法の組み合わせで解けます。
まとめ
この15問の中で特に難しいのは(xii)、(xiv)、(xv)です。
一方、(i)~(iv)、(ix)、(x)、(xi)は三角関数の基本公式だけで処理できます。
微分を使わない最大最小問題では、式変形の巧みさが重要であり、特に「合成公式」「x+yとx-yへの変換」「置換」が頻出テクニックになります。これらを習得すると、多くの三角関数最大最小問題を効率よく解けるようになります。


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