三相200Vモーターのサーマルトリップ原因を解説|端子の錆・接触不良・断線との関係とは

工学

三相200Vモーターが稼働開始から数か月後にサーマルトリップを起こし、端子の焼損や断線が見つかった場合、「締め忘れだったのか」「接触不良で電流が増えたのか」と疑問に思う方は少なくありません。実際には端子の緩み、振動、酸化による接触抵抗の増加など複数の要因が重なって発生するケースが多くあります。本記事ではモーター端子の焼損とサーマルトリップの仕組みについて、現場目線で分かりやすく解説します。

端子の錆と断線は接触不良が原因なのか

結論から言うと、端子の錆や断線は接触不良によって発生する可能性が高いです。

端子の締付けが不十分だったり、振動で徐々に緩んだりすると接触面積が減少します。その結果、接触抵抗が増加して発熱が発生します。

発熱が続くと端子表面が酸化し、さらに抵抗が増える悪循環に入ります。最終的には端子が焼けたり、電線の芯線が熱で劣化して断線したりすることがあります。

状態 発生しやすい現象
端子の緩み 接触抵抗増加
接触抵抗増加 局所発熱
発熱継続 酸化・焼損
焼損進行 断線

接触不良が起きると電流は増加するのか

接触不良そのものが直ちに全体電流を大きく増加させるわけではありません。

しかし三相モーターの場合、1相が接触不良や断線状態になると「欠相運転」に近い状態になることがあります。

欠相状態では残りの2相に過大な電流が流れ、モーター内部の巻線温度が上昇します。その結果としてサーマルリレーが動作し、トリップすることがあります。

つまり、接触不良→欠相→残りの相に過電流→サーマルトリップという流れは十分に考えられます。

焼けた端子が動くようになる理由

端子が焼損すると金属部分が熱によって変形したり、ネジの締付け力が低下したりすることがあります。

また高温によって端子台の樹脂部分が変形すると、本来固定されていた端子がぐらつくこともあります。

そのため点検時に「焼けた端子だけが動く」という現象は珍しくありません。

必ずしも最初から緩んでいたとは限らず、焼損によって後から緩くなった可能性もあります。

締め忘れだったと断定できるのか

締め忘れは有力な原因の一つですが、断定はできません。

工場設備では運転中の振動や温度変化によって、当初は正常だった端子が徐々に緩むケースがあります。

また銅線と端子金具の熱膨張率の違いによって、長期間の運転で締付け力が低下することもあります。

そのため「3か月問題なく動いていた」という事実は、締め忘れではない証拠にも、締め忘れだった証拠にもなりません。

なぜ3か月後に突然トラブルが発生したのか

接触不良による焼損事故は、多くの場合ゆっくり進行します。

最初はわずかな抵抗増加しかなく正常運転していても、発熱による酸化が進むと抵抗がさらに増加します。

その結果、ある時点から急激に温度上昇が加速し、端子焼損や断線に至ります。

現場では「昨日までは普通だったのに突然トリップした」という事例も少なくありません。

再発防止のために確認したいポイント

同様のトラブルを防ぐためには、端子部だけでなく周辺設備も確認することが重要です。

  • メーカー推奨トルクでの増し締め
  • 振動の有無の確認
  • 端子台や圧着端子の交換
  • サーマルリレー設定値の確認
  • 三相電流のバランス測定
  • 絶縁抵抗測定

焼損した端子は外観上問題なく見えても内部損傷している場合があるため、基本的には交換が推奨されます。

まとめ

三相200Vモーターの端子が錆びて焼損し、最終的に断線した場合は接触不良が発端となっている可能性が高いです。接触抵抗による発熱が進行し、欠相状態に近づくことでサーマルトリップが発生したと考えられます。また、焼損後に端子がぐらつくことも珍しくありません。締め忘れの可能性はありますが、振動や熱サイクルによる緩みも十分考えられるため、端子交換と電流測定を含めた総合的な点検が再発防止につながります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました