不定積分の問題では、逆三角関数と無理関数が同時に現れる場合、適切な置換を見抜くことが重要です。特に arctan x と √(1+x²) が含まれる積分は、三角置換によって大幅に簡略化できることがあります。ここでは ∫e^arctanx/((1+x^2)√(1+x^2))dx を例に、計算の流れを詳しく解説します。
与えられた積分
求める不定積分は次の通りです。
∫e^(arctanx)/((1+x^2)√(1+x^2))dx
分母に (1+x²) と √(1+x²) が現れているため、x=tanθ と置換する方針が自然です。
x=tanθ と置換する
x=tanθ とおくと、
dx=sec²θ dθ
1+x²=sec²θ
√(1+x²)=secθ
また arctanx=θ です。
これらを積分に代入すると、
∫e^θ/(sec²θ・secθ) × sec²θ dθ
=∫e^θ cosθ dθ
となり、非常に簡潔な形になります。
∫e^θcosθ dθ を計算する
この積分は公式として知られています。
∫e^θcosθ dθ=(e^θ/2)(sinθ+cosθ)+C
部分積分を2回行っても導出できますが、公式を利用すると効率的です。
x に戻す
x=tanθ より、直角三角形を考えると
sinθ=x/√(1+x²)
cosθ=1/√(1+x²)
です。
したがって、
sinθ+cosθ=(x+1)/√(1+x²)
となります。
さらに θ=arctanx を代入すると、
(e^(arctanx)/2)・(x+1)/√(1+x²)+C
を得ます。
答え
以上より、求める不定積分は
∫e^(arctanx)/((1+x^2)√(1+x^2))dx = e^(arctanx)(x+1)/(2√(1+x²)) + C
となります。
この問題で学ぶべきポイント
逆三角関数 arctanx と 1+x² が同時に現れたら、x=tanθ の置換を疑うことが重要です。
また、√(1+x²) が存在する場合も同じ置換で整理できることが多く、今回のように指数関数 e^(arctanx) まで含まれていても計算を大幅に簡略化できます。
| 式の特徴 | 有効な置換 |
|---|---|
| arctanx がある | x=tanθ |
| 1+x² がある | x=tanθ |
| √(1+x²) がある | x=tanθ |
まとめ
この積分は、一見すると複雑ですが、x=tanθ の置換によって ∫e^θcosθ dθ に帰着できます。
その後は指数関数と三角関数の標準積分を用い、最後に θ=arctanx を戻せば解答が完成します。
逆三角関数と無理関数が組み合わさった積分では、置換による簡略化を最優先で考えることが解法の鍵になります。


コメント