鉄道や道路の説明で「35‰(35パーミル)の勾配」という表現を見て、「それがなぜ約2度になるの?」と疑問に思う人は多いです。
実は、パーミルと角度は同じ“傾き”を表していても、基準となる考え方が異なります。
この記事では、35‰が約2度になる理由を、三角形と三角比を使ってできるだけ直感的に解説します。
そもそも35‰(パーミル)とは?
「‰(パーミル)」は1000分のいくつかを表す単位です。
勾配35‰とは、
横に1000m進むと、高さが35m変わる
という意味になります。
つまり、
| 横方向 | 高さ |
|---|---|
| 1000 | 35 |
という直角三角形をイメージすると分かりやすいです。
角度に変換するには「tan」を使う
傾斜角度を求めるには、三角比の「タンジェント(tan)」を使います。
直角三角形では、
tanθ = 高さ ÷ 横の長さ
です。
今回の場合、
tanθ = 35 ÷ 1000
なので、
tanθ = 0.035
になります。
ここから逆三角関数(tanの逆)を使うと、
θ = arctan(0.035)
となります。
これを計算すると、
θ ≒ 2.0°
となります。
実際の計算式をまとめるとこうなる
35‰を角度へ変換する式をそのまま書くと、
角度 = arctan(35÷1000)
です。
電卓では、
- 35 ÷ 1000
- shift + tan(または tan⁻¹)
の順で入力すると求められます。
スマホの関数電卓でも計算可能です。
なぜ「約」2度なのか
実際には35‰はピッタリ2度ではありません。
計算すると、
arctan(0.035) ≒ 2.005°
です。
つまり、小数点以下まで見ると少しだけ2度を超えています。
そのため、一般には「約2度」と表現されます。
パーミルとパーセントの違い
勾配では「%」と「‰」が混ざることがあります。
| 単位 | 意味 |
|---|---|
| 1% | 100分の1 |
| 1‰ | 1000分の1 |
つまり、
10‰ = 1%
です。
35‰なら、3.5%の勾配ということになります。
鉄道でパーミルがよく使われる理由
鉄道では角度よりパーミルのほうが直感的に運転性能を表しやすいため、多く使われます。
たとえば35‰なら、1000m進んで35m上がるとすぐ理解できます。
鉄道の世界では、数度程度でも非常に急勾配です。
実際、新幹線や普通鉄道では、数十‰でも登坂能力に大きな影響があります。
小さい角度では「tanθ ≒ θ」が近くなる
数学では、角度が小さい場合、
tanθ ≒ θ(ラジアン)
という近似があります。
35‰程度の小さな傾斜では、この近似もかなり成り立ちます。
そのため、「35‰はだいたい2度くらい」という感覚的な近似も使われます。
まとめ
35‰とは、「横1000に対して高さ35」の傾きを意味します。
角度へ変換するには三角比を使い、
θ = arctan(35÷1000)
を計算すると約2度になります。
つまり、“パーミルは高さ比”、“度は角度”を表しているだけで、三角比によって互いに変換できるのです。


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