「アマゾン川の地下に、さらに巨大な川が流れている」というニュースを見て驚いた人は多いかもしれません。
しかも、その地下の流れは地表のアマゾン川より幅が広く、全長約6000km級とも報じられました。
では、本当に地下には“もう一つの大河”が存在するのでしょうか。そして、こうした現象は世界では普通なのでしょうか。
この記事では、地下水脈・地下河川・帯水層の違いを整理しながら、アマゾン地下の巨大水流についてわかりやすく解説します。
アマゾン川の地下に見つかった「もう一つの川」とは
話題になったのは、ブラジルの研究チームが発表した地下水の巨大な流れです。
地下約4000m付近で、アマゾン川とほぼ並行するように、非常にゆっくり流れる地下水の帯が確認されました。
この地下水流は「ハムザ川(Hamza River)」とも呼ばれています。
ただし、ここで重要なのは、
“地下に巨大な空洞の川が流れているわけではない”
という点です。
ニュースだけ見ると、地下洞窟の中を巨大河川が流れているように想像しがちですが、実際は岩石や堆積層の中をゆっくり染み込むように移動する地下水です。
地下河川と地下水脈は別物
地下の水にはいくつか種類があります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 地下河川 | 洞窟内などを川のように流れる |
| 地下水脈 | 岩石や砂の隙間を通る |
| 帯水層 | 地下水を大量に蓄える地層 |
アマゾン地下のものは、一般的な意味での「地下河川」ではなく、巨大な地下水流に近い存在です。
つまり、“水の通った地層全体がゆっくり流れている”イメージのほうが正確です。
なぜアマゾンの地下に巨大水流ができるのか
アマゾン流域は、世界最大級の降水量を持つ地域です。
長い年月をかけて大量の雨水が地中へ浸透し、巨大な地下水系を形成しました。
さらに、アマゾン盆地には厚い堆積層があります。
砂や岩石の層の間を水が広範囲に移動できるため、超巨大な地下水流が成立すると考えられています。
ただし、その流速は非常に遅く、地表の川のような激しい流れではありません。
研究では、地下水の流れは1年で数メートル程度とも推定されています。
「大河の地下に別の大河」は普通なのか
結論から言うと、巨大河川の地下に地下水系が存在すること自体は珍しくありません。
なぜなら、大河周辺は大量の水が地面へ浸透しやすく、地下水も豊富だからです。
実際、
- ミシシッピ川流域
- ガンジス川流域
- 長江流域
などでも、大規模な地下水系は存在します。
ただし、アマゾン地下のように「地表の川と並行する超巨大地下水流」がここまで注目された例はかなり特殊です。
つまり、地下水そのものは普通ですが、規模が桁違いだったためニュースになりました。
地下にも“水の世界”がある
地球上の淡水の多くは、実は地下に存在しています。
湖や川よりも、地下水のほうが圧倒的に大量です。
そのため、地表では見えなくても、地下には巨大な水循環があります。
たとえば砂漠地域でも、地下深くには古代の地下水が眠っている場合があります。
地下水は、
- 飲料水
- 農業
- 工業用水
など、人類の生活を支える重要資源でもあります。
地下に“本物の川”が流れる場所もある
一方で、実際に洞窟の中を川のように流れる「地下河川」も存在します。
有名なのは、フィリピンのプエルト・プリンセサ地下河川です。
石灰岩地帯では、水が岩を溶かして巨大洞窟を作り、その中を川が流れることがあります。
こちらは本当に「地下の川」と呼べる存在です。
しかしアマゾン地下のケースは、それとはかなり異なります。
ニュースで「地下の大河」と表現される理由
科学ニュースでは、一般向けに分かりやすく伝えるため、比喩的な表現が使われることがあります。
「地下の大河」という表現も、その一例です。
実際には地下水の広域移動なのですが、規模が非常に大きいため、「地下にもアマゾン級の水の流れがある」と紹介されました。
つまり、
“川っぽいほど巨大な地下水流”
と考えると理解しやすいです。
まとめ
アマゾン川の地下に見つかった「もう一つの大河」は、洞窟内を流れる普通の川ではなく、巨大な地下水流です。
大河の地下に地下水系が存在すること自体は珍しくありませんが、アマゾン地下のケースは規模が非常に大きいため世界的に注目されました。
地下には地表から見えない巨大な水循環があり、地球の水の多くは実は地下に存在しています。
“地下にも水の地形がある”と考えると、地球の内部世界が少し立体的に感じられるかもしれません。


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