なぜテネシンとオガネソンは「〜ウム」で終わらないのか?元素命名ルールをわかりやすく解説

化学

周期表を見ると、多くの元素名は「〜ウム」で終わっています。ナトリウム、カルシウム、プルトニウムなどが代表例です。そのため、113番以降の新元素である「テネシン(Tennessine)」や「オガネソン(Oganesson)」を見た時、「なぜ〜ウムではないのか?」と疑問に感じる人は少なくありません。

実はこれは命名者の気分やワガママではなく、国際的な命名規則と元素の分類が関係しています。

元素名は勝手に決められているわけではない

元素名は、国際純正・応用化学連合(IUPAC)が定めるルールに従って決定されます。新元素を発見した研究グループには命名提案権がありますが、最終的にはIUPACの審査を通過しなければ正式名称にはなりません。

つまり、「〜ウムにしたくない」という個人的な理由だけで決められるわけではありません。

語尾は元素の分類で決まる

実は元素名の語尾には一定の法則があります。

元素の分類 語尾
金属元素が多い一般元素 〜ium(日本語では〜ウム) カルシウム、ネプツニウム
ハロゲン元素 〜ine 塩素 Chlorine、ヨウ素 Iodine
希ガス元素 〜on ネオン Neon、ラドン Radon

このルールに従うと、117番元素テネシンはハロゲン元素に属するため「〜ine」、118番元素オガネソンは希ガス元素なので「〜on」になったのです。

テネシンが「テネシウム」ではない理由

テネシンは英語で「Tennessine」と表記されます。これはアメリカのテネシー州に由来しています。

117番元素は周期表上でフッ素や塩素と同じ17族、つまりハロゲン元素に分類されます。そのためIUPACの規則では「〜ine」で終える必要がありました。

もし「Tennessium」にしてしまうと、金属元素のような印象になり、分類ルールと矛盾してしまいます。

オガネソンが「オガネシウム」ではない理由

118番元素オガネソンは、ロシアの物理学者ユーリ・オガネシアン博士に由来しています。

118番元素は周期表の18族、つまり希ガス元素です。そのためネオンやキセノンと同じように「〜on」の語尾が採用されました。

英語では「Oganesson」で、日本語では「オガネソン」と表記されます。

実は昔から「〜ウム」以外の元素は多い

「新元素だけ特別なのでは?」と思うかもしれませんが、実際には古くから「〜ウム」以外の元素は存在します。

  • 酸素(Oxygen)
  • 水素(Hydrogen)
  • ネオン(Neon)
  • アルゴン(Argon)
  • 塩素(Chlorine)

日本語では漢字名やカタカナ名の影響で気づきにくいですが、英語では語尾のルールが比較的統一されています。

なぜ「〜ウム」が多く感じるのか

周期表の元素の大半は金属元素です。そして金属元素の命名では「〜ium」が非常に多く使われています。

そのため、日本語では「〜ウムで終わるのが普通」という印象が強くなっています。しかし、これは金属元素が多いだけであり、命名規則そのものは昔から複数存在しています。

まとめ

テネシンとオガネソンが「〜ウム」で終わらないのは、命名者の好みではなく、IUPACが定める元素分類ルールによるものです。

テネシンはハロゲン元素なので「〜ine」、オガネソンは希ガス元素なので「〜on」が採用されました。周期表の元素名は見た目以上に厳密なルールで管理されており、新元素の名前にも化学的な意味が反映されているのです。

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