三角関数の不等式「√3cosx+sinx>0(0≦x≦2π)」は、三角関数の合成を使って解く代表的な問題です。しかし、なぜ√3が突然y座標として扱われるのか、なぜcosやsinを円の座標として考えるのかが分かりにくい人も多いでしょう。
この記事では、数学が苦手な人でも理解できるように、単位円の考え方から√3と座標の関係、そして不等式の解き方まで順番に解説します。
まずcosとsinは円の座標を表している
三角関数を理解するためには、単位円という考え方が重要です。単位円とは、半径が1の円のことです。
角度xの位置にある円周上の点を考えると、その点の座標は次のようになります。
(cosx、sinx)
つまり、cosxは横方向(x座標)、sinxは縦方向(y座標)の値を表しています。
例えば、角度が0°の場合、円の右端にある点なので座標は(1、0)になります。この時、cos0°=1、sin0°=0となり、座標と一致します。
√3cosx+sinxの√3は何を意味しているのか
式を見ると、
√3cosx+sinx
となっています。
ここでcosxに√3が掛かっています。これは、cosx(横座標)を√3倍しているという意味です。
単位円上の点(cosx、sinx)を考えると、√3cosxは横座標を√3倍したものになります。
つまり、
√3cosx+sinx=√3×横座標+縦座標
と考えることができます。
なぜ√3がy座標になるように考えるのか
この問題で混乱しやすい部分は、「√3がy座標になる」という表現です。正確には、√3そのものがy座標になるわけではありません。
三角関数の合成をするとき、
a cosx+b sinx
という形を、
Rcos(x-θ)
の形に変形します。
この時、係数aとbを座標として考えます。
今回の場合は、
√3cosx+1sinx
なので、係数を使って点(√3、1)を考えます。
つまり、√3はx方向の成分、1はy方向の成分になります。√3がy座標になるわけではなく、むしろ横方向の大きさを表しています。
三角関数の合成で考える方法
式を、
√3cosx+sinx
から、
Rcos(x-θ)
の形に変えます。
まずRを求めます。
R=√((√3)^2+1^2)
=√(3+1)=2
したがって、
√3cosx+sinx=2cos(x-θ)
となります。
ここでθは、
cosθ=√3/2、sinθ=1/2
を満たす角度なので、
θ=π/6
になります。
よって、
√3cosx+sinx=2cos(x-π/6)
と変形できます。
√3cosx+sinx>0の解き方
元の不等式は、
2cos(x-π/6)>0
になります。
2は正の数なので、符号には影響しません。
したがって、
cos(x-π/6)>0
を考えればよいです。
cosが正になる場所は、単位円でいう右半分です。
つまり、
-π/2<x-π/6<π/2
となります。
両辺にπ/6を足すと、
-π/3<x<2π/3
になります。
0≦x≦2πの範囲に合わせると、
0≦x<2π/3
または
4π/3<x≦2π
が答えになります。
単位円を使うと三角関数が理解しやすくなる
三角関数の問題では、cosやsinをただの記号として覚えると混乱しやすくなります。
cosは横方向の割合、sinは縦方向の割合と考えると、式の意味が見えやすくなります。
例えば、sinxが大きい場合は円の上側に点があり、cosxが大きい場合は右側に点があるというイメージです。
この考え方を身につけると、三角関数の合成や不等式の範囲を求める問題も図で理解できるようになります。
まとめ
√3cosx+sinx>0の問題では、√3そのものが座標になるわけではありません。三角関数の合成では、係数を点(√3、1)として考え、その大きさや角度を利用します。
また、cosxとsinxは単位円上の点のx座標とy座標を表しているため、円の図をイメージすると理解しやすくなります。
三角関数の不等式は、公式暗記だけではなく「円のどの部分を表しているか」を考えることで、数学が苦手な人でも解けるようになります。


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