広義積分の収束判定では、被積分関数が無限大になる点の近くでどのような振る舞いをするかを調べることが重要です。ここでは、∫[0,π]dx/√sinx の収束・発散を判定する方法を、比較判定法を中心に解説します。
まず積分が広義積分になる理由
考える積分は
∫[0,π]dx/√sinx
です。
sinxは x=0 と x=π で0になるため、分母の√sinxも0になります。その結果、被積分関数 1/√sinx は x=0 および x=π で発散します。
したがって、この積分は広義積分として扱う必要があります。
端点 x=0 の近くを調べる
xが0に十分近いとき、sinxは
sinx≒x
と近似できます。
すると
1/√sinx ≒ 1/√x
となります。
ここで比較対象となる積分
∫[0,a] dx/√x
を考えると、
∫[0,a] x^(-1/2)dx = 2√a
となり有限値に収束します。
したがって、x=0付近では収束します。
端点 x=π の近くを調べる
次に x=π に近い場合を考えます。
t=π-x とおくと、t→0 のとき
sinx=sin(π-t)=sint
です。
さらに t が十分小さいとき
sint≒t
なので、
1/√sinx ≒ 1/√(π-x)
となります。
比較対象の積分
∫[b,π] dx/√(π-x)
は有限値に収束します。
したがって、x=π付近でも収束します。
比較判定法による結論
x=0付近では 1/√sinx は 1/√x と同程度です。
x=π付近では 1/√sinx は 1/√(π-x) と同程度です。
どちらも指数が1/2であり、一般に
∫[0,a] x^(-p)dx
は p<1 のとき収束することが知られています。
今回は p=1/2 なので両端とも収束します。
より高度な視点:ベータ関数との関係
大学数学では、この積分はベータ関数やガンマ関数を用いて厳密な値まで求めることができます。
しかし、収束判定だけであれば端点付近の挙動を比較するだけで十分です。
入試や演習問題では、まず発散点を確認し、その近くで sinx≒x や sinx≒π-x を利用する方法が定番です。
まとめ
積分 ∫[0,π]dx/√sinx は、x=0 と x=π において被積分関数が発散するため広義積分です。しかし、端点付近ではそれぞれ 1/√x、1/√(π-x) と同程度の大きさとなり、どちらも収束する既知の積分と比較できます。そのため、この広義積分は収束すると判定できます。


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