高校数学の履修率に関する調査を見ると、数学Aが87%、数学Bが45%、数学Cが34%という数字に驚く人も少なくありません。特に「数学Bは文系でも必要ではないのか」「数学Aを履修しない生徒が1割以上いるのはなぜか」と疑問に感じる人も多いでしょう。実は、これらの履修率には高校の教育課程や進路選択が大きく関係しています。
数学A・B・Cは全員が履修する科目ではない
現在の高校数学では、数学Iが共通必履修科目となっていますが、数学A・B・Cは学校やコースによって扱いが異なります。
大学進学を前提とする普通科高校では数学Aまで履修するケースが多い一方、専門高校や総合学科では進路に応じて別の科目を重視する場合があります。
そのため、全国集計では数学Aの履修率が100%にならず、87%程度になることがあります。
数学Bの履修率が45%にとどまる理由
数学Bには数列や統計的な推測などの単元が含まれています。
大学入試では重要な科目ですが、すべての進路で必要になるわけではありません。
例えば専門学校進学や就職を目指す生徒の場合、数学Bを履修しないカリキュラムが組まれていることがあります。
また文系進学者の中にも、受験科目として数学を使わないケースが多くあります。そのため全国平均で見ると履修率は半数以下になることがあります。
| 進路 | 数学Bの必要性 |
|---|---|
| 理系大学 | 高い |
| 文系大学(数学利用) | 比較的高い |
| 文系大学(数学不要) | 低い |
| 専門学校・就職 | 低い場合が多い |
数学Cの履修率が34%なのは理系中心だから
数学Cにはベクトルや複素数平面など、主に理工系分野で必要となる内容が含まれています。
そのため、理系コースや難関大学受験を目指す生徒が中心となって履修します。
日本の高校生全体で見ると、理系選択者は全体の3〜4割程度とされており、数学Cの履修率34%という数字は実際の文理比率とほぼ一致しています。
つまり、数学Cの履修率が低いというよりも、理系向け科目としては自然な数字と考えることができます。
数学Aの履修率87%は本当に低いのか
数学Aには場合の数、確率、図形の性質など、高校数学の基礎的な内容が含まれています。
普通科高校ではほぼ必修に近い扱いですが、全国には工業高校、商業高校、農業高校、水産高校など多様な学校があります。
これらの学校では専門科目の授業時間を確保するため、数学Aの扱いが普通科とは異なる場合があります。
その結果、全国平均で見ると100%にはならず、約9割弱という数字になるのです。
履修率だけでは学習実態は見えない
履修率はあくまで「授業を受けた生徒の割合」を示す数字です。
実際には履修していなくても独学や受験対策講座で学ぶ生徒もいます。
逆に履修していても大学受験で利用しないケースもあります。
そのため、履修率の高さだけで数学力や学力水準を判断することはできません。
まとめ
数学Bと数学Cの履修率が低く見える主な理由は、高校生全員が大学受験を目指しているわけではなく、進路によって必要な数学が異なるためです。
数学Cの34%は理系選択者の割合とほぼ一致しており、必ずしも異常な数字ではありません。また数学Bも、文系で数学を受験に使わない生徒や専門高校の生徒を含めると履修率が45%程度になることは十分考えられます。
履修率を見る際は、普通科進学校だけでなく全国の多様な高校や進路選択を含めて考えることが大切です。


コメント