最近話題になっている、多摩動物公園のフライングバードケージにいるオジロワシとオオワシのつがい。そもそも異なる種であるこの2種がペアになることは珍しいのでしょうか。本記事では、野生での事例や交雑の可能性、動物園という環境が与える影響について、生態学的な観点から分かりやすく解説します。
オジロワシとオオワシはどんな鳥?
オジロワシとオオワシは、どちらもタカ目タカ科に属する大型の猛禽類です。見た目は似ていますが、体の大きさや羽色、分布域などに違いがあります。
オジロワシはユーラシア大陸北部を中心に広く分布し、日本では冬鳥として見られます。一方、オオワシはさらに大型で、主に極東ロシアなどで繁殖し、日本には越冬のため飛来します。
野生でつがいになることはある?
結論から言うと、野生下でオジロワシとオオワシが安定したつがいを形成したという報告は非常に少なく、ほとんど聞かれません。
両種は繁殖地が異なり、繁殖期もほぼ重ならないため、自然環境で出会ってペアを形成する機会自体が少ないのです。また、ワシ類は一般的に同種間でつがいを形成する傾向が強く、種認識能力も高いと考えられています。
動物園ではなぜ起こり得るのか?
動物園では、限られた空間内に異種の個体が同居する場合があります。繁殖期に近いホルモン状態や、同種の相手がいない状況では、近縁種同士がペア行動を示すことは理論上あり得ます。
特にオジロワシとオオワシは近縁種であり、分類上も比較的近い関係にあります。そのため、求愛行動やペア形成に似た行動が観察される可能性は否定できません。
交雑(ハイブリッド)は可能?
猛禽類では近縁種間での交雑例が世界的に報告されることがあります。ただし、自然下での交雑は極めてまれです。
理論的には近縁であれば繁殖が成立する可能性はありますが、実際に受精卵が育ち、成鳥になるかどうかは別問題です。遺伝的な適合性や行動的な要因も関係します。
「滅多にないこと」なのか?
野生に限れば、オジロワシとオオワシがつがいになるのは非常に珍しいと言えるでしょう。一方で、動物園という特殊な環境では、同種個体が不在であることなどから、ペア行動が見られることは不思議ではありません。
つまり、「野生ではほぼ聞かないが、飼育下では理論的にあり得る」というのがバランスの取れた見方になります。
まとめ
オジロワシとオオワシは近縁種ですが、野生でつがいになる例は極めてまれです。繁殖地や行動圏の違いにより、自然環境での接点が少ないことが主な理由です。
一方、動物園のような限定された環境では、種を超えたペア行動が見られる可能性があります。今回の話題は、生態学的にも興味深い現象と言えるでしょう。


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