連立漸化式を解くときには、x[n+1]+αy[n+1]=β(x[n]+αy[n])のような形を作り、等比数列として処理する方法があります。しかし、「なぜプラスの形なのか」「x[n+1]-αy[n+1]の形ではいけないのか」と疑問に感じる人もいます。
実は、マイナスの形でも全く問題なく利用できます。大切なのはプラスかマイナスかではなく、連立漸化式から変化しない組み合わせを見つけることです。この記事では、等比型を作る考え方と、なぜ参考書ではプラス型がよく使われるのかを詳しく解説します。
連立漸化式で等比型を作る目的
連立漸化式では、例えば次のように2つの数列が互いに影響し合います。
x[n+1]=ax[n]+by[n]
y[n+1]=cx[n]+dy[n]
このままではxだけ、yだけの漸化式にならないため、解くのが難しくなります。そこで、xとyを組み合わせた新しい数列を作ります。
例えば、z[n]=x[n]+αy[n]と置くことで、
z[n+1]=βz[n]
という等比型になれば、通常の等比数列として処理できます。
つまり、等比型を作る目的は「2つの数列をまとめて、簡単な1つの数列に変換すること」です。
マイナスの形でも等比型は作れる
結論から言うと、
x[n+1]-αy[n+1]=β(x[n]-αy[n])
という形でも何の問題もありません。
これは単に、
x[n+1]+(-α)y[n+1]=β(x[n]+(-α)y[n])
と考えれば、通常のプラス型と全く同じです。
つまり、参考書で使われているαの値を反対の符号に変更すれば、マイナス型はプラス型として表現できます。
例えば、参考書でx[n]+3y[n]という組み合わせを作っている場合、x[n]-3y[n]を作りたいなら、α=-3として扱えばよいだけです。
なぜ参考書ではプラス型が多いのか
参考書でプラスの形が多く使われる理由は、数学的な必然ではなく、表記を統一しやすいからです。
一般的に、未知の定数をαとして置く場合、
x[n]+αy[n]
と書いておけば、αが正でも負でも両方を含めることができます。
つまり、「プラス記号を書いているからαが必ず正」という意味ではありません。α自体が負の値になる可能性も考えています。
例えば、
x[n]-2y[n]
は、
x[n]+(-2)y[n]
と同じです。そのため、最初からプラス型で書いておく方が、多くの問題に対応できるというメリットがあります。
数列の公式でマイナスが多い理由との違い
質問にあるように、他の数列公式ではマイナスの形が多く登場します。例えば等差数列の和や二項定理などでは、差を表すためにマイナスが自然に出てくる場合があります。
しかし、連立漸化式の等比型作成では、「差を表したい」のではなく「特定の組み合わせを作りたい」という目的があります。
そのため、符号そのものよりも、どの組み合わせなら次の項でも同じ倍率になるかが重要になります。
例えば、行列で考えると、連立漸化式では固有ベクトルに対応する方向を探していることになります。その方向を表す係数がたまたまプラスになる場合もあれば、マイナスになる場合もあります。
実際に等比型を作るときに意識すること
連立漸化式の問題では、「プラスにするかマイナスにするか」を悩む必要はありません。重要なのは、次の式が成立するようなαを探すことです。
x[n+1]+αy[n+1]=β(x[n]+αy[n])
左辺を計算したときに、右辺の形にまとまるようにαを決定します。
途中でαが負の値になった場合でも、それは失敗ではありません。単に、結果としてマイナス型の組み合わせが適切だったというだけです。
例えば計算結果からα=-5になったなら、作られる数列はx[n]-5y[n]になります。しかし表記上はx[n]+αy[n]の形のまま扱えます。
まとめ|プラス型は形式であり、マイナス型も同じように利用できる
連立漸化式で使われるx[n+1]+αy[n+1]=β(x[n]+αy[n])という形は、プラスに限定された公式ではありません。
αが負になることも含めて表現できるため、x[n]-αy[n]の形も数学的には全く同じように扱えます。
参考書でプラス型が多いのは、どんな場合でも統一的に書けて分かりやすいためです。連立漸化式を解くときは、符号よりも「等比型になる組み合わせを探す」という目的を意識すると、公式の意味が理解しやすくなります。


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