高校数学の数列では、等比数列の極限を考えるときに「収束」「発散」「振動」という言葉が登場します。特に公比が-1より小さい場合、答えを「発散」と書くべきなのか「振動」と書くべきなのか迷う人も多いでしょう。この記事では、公比の値によって数列がどのような動きをするのかを整理し、適切な表現方法を解説します。
等比数列の極限を考える基本
等比数列は、前の項に一定の数を掛けて次の項が作られる数列です。一般的には初項をa、公比をrとすると、数列の一般項はa×rⁿで表されます。
この数列の極限を考えるときは、公比rの値によって結果が大きく変わります。
特に重要なのは、rの絶対値が1より小さいか、大きいか、また符号が正か負かという点です。
公比が1より大きい場合
公比rが1より大きい場合、例えばr=2なら数列は次のように増加します。
1、2、4、8、16、……
このような数列は値がどんどん大きくなり、一定の値に近づかないため「発散する」といいます。
同様に、rが-2のような場合も大きさはどんどん大きくなります。
公比が-1より小さい場合の数列の特徴
公比が-1より小さい場合とは、例えばr=-2やr=-3などの数です。
r=-2の場合、初項を1とすると数列は、
1、-2、4、-8、16、……
のようになります。
この数列は符号が交互に変化しながら、絶対値がどんどん大きくなっています。
つまり、単に上下に揺れているだけではなく、値そのものが無限に大きくなっている状態です。
「振動」と呼ばれる数列とは
振動とは、数列の値が一定の範囲内で上下に動き続け、1つの値に近づかない状態を指します。
代表的な例は、公比が-1の場合です。
例えば数列1、-1、1、-1、……では、値は大きくなりませんが、プラスとマイナスを繰り返して一定の値に近づきません。
このような場合は「振動する」と表現します。
公比が-1より小さい場合は「発散」と書くのが基本
公比rが-1より小さい場合、つまりr<-1の場合は、数列の絶対値が無限に大きくなります。
例えばr=-2なら、
1、-2、4、-8、16、……
となり、値はプラスとマイナスを繰り返しながら大きくなっていきます。
この場合は「発散」と表現するのが適切です。
ただし、「符号が交互に変わる」という特徴があるため、説明として「振動しながら発散する」と表現することもあります。
公比による等比数列の極限の分類
| 公比rの条件 | 数列の様子 | 表現 |
|---|---|---|
| |r|<1 | 0に近づく | 収束 |
| r=1 | 一定の値になる | 収束 |
| r=-1 | 2つの値を交互に繰り返す | 振動 |
| |r|>1 | 絶対値が大きくなる | 発散 |
この表から分かるように、公比が-1より小さい場合は絶対値が1より大きいため、分類としては発散になります。
一方で、公比が-1の場合だけは値が増えずに交互に変化するため、振動と判断します。
まとめ|公比が-1より小さいなら発散、-1なら振動
等比数列の極限では、公比が-1より小さい場合(r<-1)は「発散」と書くのが基本です。
ただし、符号が交互に変わるため、「振動しながら発散する」と説明することもできます。
一方で「振動する」とだけ書く場合は、公比が-1のときのように、値が一定範囲内で繰り返す場合を指します。公比の絶対値を見ることで、収束・発散・振動を正しく判断できます。


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