2つの関数f(x)、g(x)で囲まれた部分の面積を求める問題では、通常「上のグラフ-下のグラフ」を積分します。しかし、どちらのグラフが上にあるのか判断しにくい場合、計算方法に迷うことがあります。
このような場合には、絶対値を使った積分を利用する方法があります。ただし、いつでも絶対値を付ければよいというわけではなく、グラフの位置関係や交点の数によって適切な方法を選ぶことが大切です。
2つの関数で囲まれた面積の基本公式
2つの関数f(x)とg(x)で囲まれた面積は、基本的には次の式で求めます。
面積=∫(上の関数-下の関数)dx
例えば、f(x)のグラフが常にg(x)より上にある範囲では、
∫{f(x)-g(x)}dx
で面積を求めることができます。
重要なのは、単純にf(x)-g(x)を積分するのではなく、必ず「高さ」が正になるように上の関数から下の関数を引くことです。
上下関係が分からない場合は絶対値を使える
2つのグラフの上下関係が分からない場合には、
面積=∫|f(x)-g(x)|dx
という形にすることで対応できます。
絶対値を付ける理由は、f(x)-g(x)が負になる部分でも面積を正として扱うためです。
例えば、ある区間でf(x)が上、別の区間ではg(x)が上になる場合、f(x)-g(x)をそのまま積分すると、一方の部分がマイナスの面積として計算されてしまいます。
絶対値を付けることで、どちらが上でも常に正の面積として計算できます。
ただし絶対値をそのまま積分できない場合がある
絶対値を付ければ考え方は簡単になりますが、実際の計算では注意が必要です。
例えば、
|f(x)-g(x)|
の中身が0になる場所、つまりf(x)=g(x)となる交点では、絶対値の中の符号が変化する可能性があります。
そのため、交点を境に区間を分けて計算する必要があります。
例えば、交点がx=aとx=bにある場合、
∫ₐᵇ|f(x)-g(x)|dx
をそのまま計算するのではなく、
∫ₐᶜ(f(x)-g(x))dx+∫ᶜᵇ(g(x)-f(x))dx
のように符号が変わる場所で分けます。
上下関係を調べる簡単な方法
絶対値を使う方法以外にも、上下関係を確認する方法があります。
まず、
f(x)-g(x)
を計算します。
この値が正ならf(x)が上、負ならg(x)が上です。
例えば、
f(x)-g(x)=x-2
の場合、x=2を境に符号が変わります。
xが3なら正なのでf(x)が上、xが1なら負なのでg(x)が上になります。
このように1点だけ調べることで、その区間の上下関係を判断できます。
絶対値を使うべき場面と使わない方がよい場面
絶対値を使う方法は、グラフの上下関係が複雑な場合や、計算を簡潔に表したい場合には便利です。
特に、交点が分かっていて、どちらが上かを毎回調べるのが面倒な場合には有効です。
一方で、試験の記述問題では、絶対値を付けた後に場合分けまで示す必要があることがあります。
単に「絶対値を付けたから終わり」ではなく、絶対値の中身の符号変化を確認することが重要です。
まとめ:面積問題では絶対値は便利だが符号確認が重要
f(x)、g(x)で囲まれた面積を求めるとき、上下関係が分からない場合は、
∫|f(x)-g(x)|dx
という形を利用することができます。
ただし、交点では符号が変わる可能性があるため、実際の計算では交点ごとに区間を分けることが必要です。
基本的には「f(x)-g(x)の符号を調べる」という習慣をつけると、絶対値を使うべきかどうかも判断でき、積分による面積計算を正確に解けるようになります。


コメント