松尾芭蕉の『奥の細道』は、高校古典の授業でもよく扱われる代表的な紀行文です。特に「ことし元禄二とせにや〜魚を禁ず縁起の旨世に伝ふことも侍りし。」の部分は、助動詞や古語表現が多く含まれており、正確な品詞分解が読解のポイントになります。
この記事では、該当部分の品詞分解を中心に、古文読解で重要となる助動詞の意味や敬語表現についても分かりやすく解説します。
『奥の細道』の「ことし元禄二とせにや」の品詞分解
本文の冒頭部分を文節ごとに区切ると、以下のように考えられます。
| 語句 | 品詞・文法 | 意味 |
|---|---|---|
| ことし | 名詞 | 今年 |
| 元禄二とせ | 名詞 | 元禄二年 |
| に | 格助詞 | 時を示す |
| や | 係助詞 | 疑問・詠嘆を表す |
「元禄二とせにや」は、「元禄二年であっただろうか」という意味になります。「や」は疑問を表す係助詞で、古文では文末に置かれることで問いかけの表現になります。
「魚を禁ず縁起の旨世に伝ふことも侍りし」の品詞分解
後半部分は、以下のように分けて考えることができます。
| 語句 | 品詞・文法 | 意味 |
|---|---|---|
| 魚 | 名詞 | 魚 |
| を | 格助詞 | 対象を表す |
| 禁ず | サ行変格活用動詞「禁ず」の終止形 | 禁止する |
| 縁起 | 名詞 | 由来や起こりに関する話 |
| の | 格助詞 | 連体修飾を表す |
| 旨 | 名詞 | 内容、意味 |
| 世 | 名詞 | 世間 |
| に | 格助詞 | 場所・範囲を表す |
| 伝ふ | ハ行四段活用動詞「伝ふ」の連体形 | 伝える、伝わる |
| こと | 名詞 | こと |
| も | 係助詞 | 〜も |
| 侍り | ラ行変格活用動詞「侍り」の連用形 | あります、ございます |
| し | 助動詞「き」の連体形 | 過去を表す |
「魚を禁ず縁起の旨世に伝ふことも侍りし」は、「魚を食べることを禁じる由来の話が世間に伝わっていることもございました」という意味になります。
重要な古文文法ポイント「侍り」と「き」
この文章で特に注意したいのが「侍りし」という表現です。「侍り」は古文で頻出する語で、丁寧語として「あります」「ございます」という意味になります。
また、「し」は助動詞「き」の連体形です。「き」は過去を表す助動詞で、話し手が直接経験した過去の出来事を表現する場合によく使われます。
例えば「昔ありしこと」は「昔あったこと」という意味になり、「し」が過去の出来事を修飾していることが分かります。
『奥の細道』を品詞分解するときの注意点
古文の品詞分解では、単語を区切るだけではなく、助動詞がどの意味で使われているかを確認することが重要です。
特に『奥の細道』のような紀行文では、作者の視点や当時の文化的背景を理解すると、助動詞や敬語の意味を判断しやすくなります。
例えば「侍り」は現代語の「侍る(仕える)」とは異なり、古文では丁寧な表現として使われることが多いため注意が必要です。
まとめ|『奥の細道』の品詞分解は助動詞の理解が重要
「ことし元禄二とせにや〜魚を禁ず縁起の旨世に伝ふことも侍りし。」の部分では、係助詞「や」、動詞「禁ず」「伝ふ」、丁寧表現の「侍り」、過去の助動詞「き」などが重要なポイントになります。
古文の読解では、単語の意味だけでなく、助動詞の活用や敬語の種類を確認することで文章全体の意味を正確につかむことができます。
『奥の細道』を学習する際は、品詞分解を通して文法を確認しながら読むことで、芭蕉の文章表現をより深く理解できるようになります。


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