インドネシアには数百もの民族言語が存在するため、「インドネシア人にとってインドネシア語は外国語に近い第2言語なのか」「本当の母語は地域の言葉なのか」と疑問に感じる人もいます。
実際のところ、インドネシアの言語事情は日本とは大きく異なります。家庭で使う言語、地域社会で使う言語、学校や行政で使う国語が異なるケースも多く、個人によって母語や第一言語の位置づけは変わります。
この記事では、インドネシア語と地域語の関係、インドネシア人がどのように言語を使い分けているのかを詳しく解説します。
インドネシアには地域ごとの母語が存在する
インドネシアは非常に多様な民族が暮らす国で、ジャワ語、スンダ語、マドゥラ語、バリ語など多くの地域言語があります。
特に地方では、家庭内で親や祖父母から受け継いだ地域語を使って育つ人も多く、その言語が本人にとって最初に覚える言葉になる場合があります。
例えば、ジャワ島の家庭では子どもが幼少期からジャワ語を聞いて育ち、学校に入ってからインドネシア語を本格的に学ぶというケースがあります。
インドネシア語は第2言語になる人も多い
インドネシア語は国の公用語であり、教育、行政、メディア、全国的なコミュニケーションで使われています。
そのため、多くの国民にとってインドネシア語は必ず身につける重要な言語ですが、家庭で最初に学ぶ言語とは限りません。
地域語を母語として育った人にとっては、インドネシア語は日本でいう標準語に近い役割を持ち、学校教育を通じて習得する第2言語に近い存在になることがあります。
一方でインドネシア語が母語の人もいる
ただし、すべてのインドネシア人にとってインドネシア語が第2言語というわけではありません。
大都市では家庭内でもインドネシア語を使う家庭が多く、子どもの頃からインドネシア語だけで育つ人もいます。また、異なる民族同士の家庭では共通語としてインドネシア語が使われることもあります。
例えば、父親がジャワ人、母親がスンダ人など異なる民族背景を持つ家庭では、両親の共通語としてインドネシア語が第一言語になる場合があります。
インドネシア語はなぜ全国共通語になったのか
インドネシア語はもともと、マレー語を基礎に発展した言語です。多民族国家であるインドネシアでは、特定の民族の言語を国語にすると民族間の対立につながる可能性がありました。
そこで、比較的中立的な共通語としてインドネシア語が採用され、独立後の国家統一を支える役割を果たしました。
現在では学校教育によって全国的に普及しており、民族や地域を超えて意思疎通をするための重要な言語になっています。
インドネシア人の言語能力は多様である
インドネシアでは、「地域語+インドネシア語」という組み合わせで複数言語を扱う人が多く存在します。
例えば、家庭ではジャワ語、学校ではインドネシア語、仕事では英語も使うというように、場面によって言語を切り替える人もいます。
そのため、インドネシア人の言語環境は単純に「母語がインドネシア語」と分類できるものではなく、育った地域や家庭環境によって大きく変わります。
まとめ|インドネシア語は第2言語の場合も母語の場合もある
インドネシア人にとってインドネシア語は、地域語を母語として育った人にとっては第2言語に近い存在になることがあります。
一方で、都市部や家庭環境によってはインドネシア語を最初に覚える人も多く、一概にすべての人に当てはまるわけではありません。
インドネシアの特徴は、一つの国の中に多様な言語が共存している点です。地域語とインドネシア語を使い分ける文化こそが、インドネシアの豊かな言語環境を作っています。


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