差分微分方程式では、通常の微分方程式とは異なり、未知関数の異なる位置の値や微分値が同時に現れるため、解法に工夫が必要です。特に演算子法を用いると、平行移動を含む項を整理して特殊解を求めることができます。
この記事では、方程式 y”(x)-2y'(x+1)+(2e-1)y(x)=e^x について、演算子法を使って特殊解を求める流れを詳しく解説します。
差分微分方程式を演算子で表現する
微分演算子をDとおくと、Dは微分を表します。つまり、
D y(x)=y'(x)、D²y(x)=y”(x)
となります。
また、平行移動の演算子をEで表すと、
E y(x)=y(x+1)
となります。したがって、y'(x+1)はE Dy(x)と表すことができます。
元の方程式は、
D²y(x)-2EDy(x)+(2e-1)y(x)=e^x
となります。
演算子を用いて左辺を整理する
ここで、指数関数e^xは微分演算子Dに対して扱いやすい形をしています。
D e^x=e^x
また、平行移動については、
E e^x=e^{x+1}=e e^x
となります。
したがって、e^xは演算子DとEの固有関数のように扱うことができます。
左辺の演算子を、
L(D,E)=D²-2ED+(2e-1)
と置きます。
特殊解を指数関数の形で仮定する
右辺がe^xなので、特殊解を、
y_p=Ae^x
と仮定します。
このとき、微分すると、
Dy_p=Ae^x
D²y_p=Ae^x
となります。
さらに平行移動すると、
y_p(x+1)=Ae^{x+1}=Ae e^x
なので、
y_p'(x+1)=Ae e^x
となります。
元の方程式に代入して係数を求める
仮定した特殊解を元の方程式へ代入します。
y”(x)-2y'(x+1)+(2e-1)y(x)
=Ae^x-2Ae e^x+(2e-1)Ae^x
となります。
e^xでまとめると、
=A(1-2e+2e-1)e^x
ここで括弧内を整理すると、
1-2e+2e-1=0
となります。
つまり、係数Aを掛けても左辺は常に0となり、右辺のe^xを作ることができません。
共鳴が起きている場合の修正
この結果は、単純なAe^xという形では特殊解が存在しないことを意味します。これは、右辺のe^xが同次方程式の解に含まれる「共鳴」の状態になっているためです。
通常の微分方程式でも、右辺が同次解と一致する場合には、xを掛けた形を試します。今回も同様に、
y_p=Ax e^x
の形を仮定します。
x e^xを特殊解として計算する
y_p=Ax e^xとおくと、
y_p’=Ae^x(x+1)
y_p”=Ae^x(x+2)
となります。
また、
y_p'(x+1)=Ae^{x+1}(x+2)=A e e^x(x+2)
です。
これらを方程式に代入すると、
A e^x(x+2)-2A e e^x(x+2)+(2e-1)Axe^x
となります。
整理するとxの項は打ち消され、定数項だけが残ります。
A e^x(2-4e)
これを右辺e^xに一致させるため、
A(2-4e)=1
より、
A=1/(2-4e)
を得ます。
したがって特殊解は、
y_p=xe^x/(2-4e)
となります。
まとめ:演算子法では共鳴に注意する
差分微分方程式 y”(x)-2y'(x+1)+(2e-1)y(x)=e^x では、平行移動演算子を用いることで、通常の微分方程式と同じように整理できます。
ただし、右辺のe^xは左辺の演算子によって消される形になっているため、単純なAe^xでは特殊解を求めることができません。
このような場合は共鳴が起きていると判断し、xを掛けた形を仮定することで特殊解を求めます。差分微分方程式でも、演算子法の基本と共鳴への対応を理解することが解法のポイントになります。

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