R-R2ラダーDACのLSB側に2R抵抗がある理由とは?電圧加算形DACの仕組みを解説

工学

R-R2ラダーDAC(抵抗ストリング型ではなく、Rと2Rの抵抗を組み合わせたDAC)は、デジタル信号をアナログ電圧へ変換する代表的な回路方式です。この回路を見ると、LSB側の終端に2R抵抗が配置されているものと、配置されていないものがあり、違いが分かりにくい場合があります。この記事では、R-R2ラダーDACのLSB側にある2R抵抗の役割と、回路構成による違いについて詳しく解説します。

R-R2ラダーDACの基本的な動作

R-R2ラダーDACは、Rと2Rという2種類の抵抗だけで構成された抵抗ラダー回路を利用して、デジタル入力値に比例したアナログ電圧を作り出します。

各ビットはスイッチによって基準電圧(Vref)またはGNDへ接続され、それぞれのビットが異なる重みを持った電流を出力します。MSB(最上位ビット)ほど大きな影響を持ち、LSB(最下位ビット)ほど小さな影響になります。

例えば4ビットDACの場合、MSBは1/2、次のビットは1/4、次は1/8、LSBは1/16というように、2進数に対応した電圧比が生成されます。

LSB側に2R抵抗がある回路の意味

LSB側に2R抵抗が配置されている回路では、その抵抗はラダー回路の終端抵抗として機能します。この終端抵抗によって、ラダー全体から見た抵抗値を一定に保つことができます。

R-R2ラダーの重要な特徴は、どのスイッチ状態から見ても回路の抵抗条件が一定になることです。そのため、各ビットの電流比が正確に2倍ずつ変化し、理想的な2進重みを作ることができます。

LSB側の2R抵抗は単なる余分な抵抗ではなく、ラダーの電流分配を正しく成立させるための重要な部品です。

LSB側に2R抵抗がない回路との違い

一方で、LSB側に2R抵抗が描かれていない回路もあります。この場合でも、必ずしも設計ミスというわけではありません。回路の出力方式や接続方法によって、別の場所に終端抵抗の役割が含まれている場合があります。

例えば、オペアンプの反転入力端子を仮想接地として利用する電圧加算形DACでは、出力側の入力抵抗やオペアンプ入力部分が終端条件の一部になることがあります。

つまり、図面上でLSB側に2Rが見えない場合でも、回路全体としてR-R2ラダーの抵抗比が成立するよう設計されている可能性があります。

基準電圧を調整するための抵抗ではない

質問で考えられているような「分圧後の電圧を2のn乗に合わせるために基準電圧を調整する抵抗」という考え方は、一部の回路では関係しますが、R-R2ラダーDACのLSB側2R抵抗の主な役割ではありません。

R-R2ラダーでは、抵抗値そのものによって電流の比率を作り出します。つまり、2R抵抗は基準電圧を調整するためではなく、各ビットの重みを正確に作るために配置されています。

例えば4ビットDACの場合、終端抵抗が正しく働くことで、各ビットがVref/2、Vref/4、Vref/8、Vref/16に対応する電流を生成できます。

電圧加算形DACで考える場合のポイント

電圧加算形DACでは、ラダー回路から流れる電流をオペアンプによって電圧へ変換します。そのため、抵抗ラダーの終端条件は出力精度に大きく影響します。

LSB側の2R抵抗がある設計では、ラダー単体で正しい終端条件を作っています。一方で、オペアンプ入力側の構成によっては、外部回路がその役割を担う場合があります。

そのため、R-R2ラダーDACを見る際は、抵抗1本だけを見るのではなく、基準電圧、スイッチ、オペアンプ、出力抵抗を含めた全体の回路として判断することが重要です。

まとめ|LSB側2R抵抗はラダーの正確な重み付けを作るためのもの

R-R2ラダーDACのLSB側にある2R抵抗は、主にラダー回路の終端抵抗として働き、各ビットの電流比を正確な2進比率に保つ役割があります。

LSB側に2R抵抗がない回路でも、別の部分が同じ役割を果たしている場合があり、必ずしも異なる方式というわけではありません。

電圧加算形DACを理解するには、基準電圧の調整という視点よりも、Rと2Rによってどのように電流分配が作られ、各ビットの重みが決まるのかを見ることが重要です。

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