漸化式aₙ₊₁=√(aₙ+2)の極限の求め方|単調有界性を使った答案の論理チェック

数学

漸化式で定められた数列の極限を求める問題では、単に極限値の方程式を解くだけではなく、その数列が本当に収束することを示す必要があります。今回は、a₁=1、aₙ₊₁=√(aₙ+2)で定まる数列について、単調性と有界性を利用した解法の流れや、答案で注意すべき論理展開を詳しく解説します。

漸化式の極限問題で必要な考え方

数列の極限を求める場合、まず考えるべきことは「その数列が収束するかどうか」です。極限値をαとして漸化式に代入する方法は便利ですが、数列が収束するという前提が必要になります。

そのため、今回のような漸化式では、先に数列が単調増加または単調減少であること、さらに上限や下限が存在することを示します。この2つを合わせたものが「単調有界数列は収束する」という定理です。

今回の答案では、①aₙ<2、②aₙ≧1を示した後、単調増加を証明し、最後に極限値を求める流れになっています。この方針自体は正しいです。

aₙ<2の証明は正しくできているか

a₁=1<2を確認し、aₖ<2と仮定してaₖ₊₁<2を示す帰納法の流れは正しいです。

実際に、aₖ<2ならば、aₖ+2<4なので、両辺正であることから平方根を取って、aₖ₊₁=√(aₖ+2)<2となります。

したがって、すべての自然数nについてaₙ<2が成立します。この評価は後で単調性を示す際にも重要になります。

aₙ≧1の証明について確認する

a₁=1≧1であり、aₖ≧1と仮定すると、aₖ₊₁=√(aₖ+2)≧√3>1となるため、帰納法によってaₙ≧1が示されています。

この部分も論理的には問題ありません。ただし、答案中の「√3≧1」という表現よりも、「√3>1」と書いた方がより正確です。

また、この証明によって数列が下から1以上に保たれることが分かります。極限値を決める際に、-1という解を排除する根拠にもなります。

単調増加の証明で注意する点

答案ではaₙ₊₁>aₙを示すために、平方の差を考えています。この考え方は適切です。

aₙ₊₁²-aₙ²=(aₙ+2)-aₙ²=-aₙ²+aₙ+2となります。これを因数分解すると、

(aₙ-2)(aₙ+1)<0

となります。

ここで①よりaₙ<2、②よりaₙ≧1なので、aₙ-2<0、aₙ+1>0です。そのため積は必ず負となり、条件が成立します。

ただし、「aₙ₊₁²-aₙ²>0だからaₙ₊₁>aₙ」とするには注意が必要です。平方の大小だけでは一般には元の数の大小は判断できません。しかし今回は①②よりaₙとaₙ₊₁がともに正であるため、この推論が可能になります。

極限値を求める最後の計算

単調増加かつ上に有界であることが示されたため、数列は収束します。そこで極限値をαとおきます。

漸化式の両辺の極限を取ると、

α=√(α+2)

となります。両辺を2乗すると、

α²=α+2

つまり、

(α-2)(α+1)=0

なので、α=2またはα=-1です。

しかし、すべてのnでaₙ≧1であるため、極限値も1以上でなければなりません。したがってα=-1は不適であり、α=2となります。

答案をさらに良くするなら修正したい部分

全体の方針は正しく、数学的な流れも十分成立しています。ただし、より厳密な答案にするなら、いくつか表現を修正するとさらに良くなります。

特に単調性の部分では、「平方の差が正だから大小が分かる」のではなく、「両方が正の数であることを確認したうえで平方の大小から判断する」という説明を加えると論理が明確になります。

また、aₙ₊₁²-aₙ²>0を示す前に「aₙ₊₁とaₙはいずれも正なので」と一言入れると、答案としてより完成度が高くなります。

まとめ|答案の方針は正しく、細部を補えば十分な解答になる

この漸化式の解法では、①上限2を示す、②下限1を示す、③単調増加を示す、④収束値を求める、という流れが基本になります。

提示された答案は大筋で正しく、単調有界性を利用した解法として成立しています。ただし、平方の大小から元の大小へ移る部分だけは、正の数であることを明示するとより論理的で美しい答案になります。

漸化式の極限問題では、答えの値を求めるだけではなく、「なぜその極限を考えてよいのか」を丁寧に示すことが重要です。

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