関数の極大値や極小値を求める問題では、「微分して0になる点を探す」と習うことが多いため、微分できない点が極値になる場合に疑問を感じることがあります。
しかし、極値をとるための本当の条件は「導関数が0になること」ではありません。この記事では、微分可能な場合と微分できない場合の極値の条件の違いについて、絶対値を含む関数を例にして解説します。
極値をとるための基本的な考え方
極値とは、ある範囲の中で周りの値より大きくなったり小さくなったりする点のことです。
周囲の値より大きい場合を極大値、小さい場合を極小値と呼びます。重要なのは、「その点の近くで関数の値がどのように変化しているか」です。
つまり、極値を判断する本質は、グラフがその点で上昇から下降へ変わるか、下降から上昇へ変わるかを見ることにあります。
「微分して0になる」は極値の必要条件ではない
学校で習う「極値をとるなら微分して0になる」という説明は、正確には「その点で微分可能な場合、極値をとるなら導関数は0になる」という意味です。
例えば、関数y=x²では、x=0で極小値0をとります。このとき、微分するとy’=2xなので、x=0でy’=0になります。
このような滑らかな曲線では、グラフの傾きが0になる場所を調べることで極値を見つけられます。しかし、すべての関数がこの条件を満たすわけではありません。
微分できない点でも極値になる場合がある
絶対値を含む関数では、グラフが折れ曲がる場所で極値をとることがあります。
代表的な例がy=|x|です。この関数はx=0で最小値0をとりますが、x=0では左右の傾きが異なるため微分できません。
左側では傾きが-1、右側では傾きが1となるため、1つの傾きとして決めることができないからです。それでもグラフを見ると、x=0が谷になっているため極小値を持ちます。
y=|x|√(x+2)がx=0で極小値になる理由
質問にある関数y=|x|√(x+2)について考えます。
x=0では、絶対値の部分|x|が0になるため、
y=|0|√(0+2)=0
となります。
また、xが0より少し小さい場合でも、xが0より少し大きい場合でも、|x|は必ず正の値になります。そして√(x+2)も定義される範囲では正の値です。
そのため、x=0の近くではyは0以上になり、x=0だけが最も小さい値になります。したがって、x=0は極小値をとる点になります。
しかし、x=0では絶対値による折れ曲がりがあるため微分できません。この場合でも、周囲との大小関係から極小値と判断できます。
極値を調べる正しい方法
極値を求めるときは、まず「その点で微分可能かどうか」を確認することが大切です。
- 微分可能な点では、導関数が0になる点を調べる
- 微分できない点では、左右の値の変化を調べる
- 定義域の端なども確認する
つまり、y’=0となる点だけを探せばよいわけではありません。
例えば、絶対値を含む関数では、絶対値の中身が0になる場所でグラフが折れる可能性があります。そのような点は必ず確認する必要があります。
先生の説明は間違いなのか
先生の説明は、通常の高校数学の範囲では「微分可能な関数について極値を探す方法」としては正しい考え方です。
ただし、「極値をとる条件は必ず微分して0になること」と考えてしまうと不正確になります。
より正確に言えば、「微分可能な関数が極値をとる場合、その点では導関数が0になる。ただし、微分できない点でも極値をとる場合がある」ということになります。
まとめ
極値の本質は、ある点の周囲で関数の値が最大または最小になるかどうかです。
「微分して0になる」という条件は、微分可能な関数で極値を探すための便利な方法であり、すべての極値に当てはまる絶対的な条件ではありません。
絶対値を含む関数のように、グラフが折れ曲がる場所では微分できなくても極小値や極大値をとることがあります。極値問題では、導関数だけでなくグラフや関数の変化にも注目することが重要です。


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