三角形の内角のように、α+β+γ=πを満たす角度に対してcosの和を評価する問題は、三角関数の性質や加法定理を利用する代表的な不等式問題です。
この記事では、α≧0、β≧0、γ≧0、α+β+γ=πという条件から、cosα+cosβ+cosγ≦3/2を証明する考え方と、等号成立条件について詳しく解説します。
問題の条件を整理する
与えられている条件は以下の通りです。
- α+β+γ=π
- α≧0、β≧0、γ≧0
この条件は、α、β、γを三角形の内角と考えることができます。三角形の内角の和はπであり、各角は0以上になるためです。
求める不等式は、3つの余弦の和についての上限を求める問題です。ポイントは、3つの角が独立ではなく、和が固定されているという点です。
加法定理を利用して式を変形する
まず、α+β+γ=πより、γ=π-(α+β)と表すことができます。
したがって、cosγは次のように変形できます。
cosγ=cos(π-(α+β))=-cos(α+β)
さらに加法定理より、
cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβ
なので、
cosγ=-cosαcosβ+sinαsinβ
となります。
これを元の式に代入すると、
cosα+cosβ+cosγ=cosα+cosβ-cosαcosβ+sinαsinβ
となります。
不等式を証明する
ここで、証明したい不等式は、
cosα+cosβ+cosγ≦3/2
です。
先ほどの変形式から、
cosα+cosβ+cosγ=cosα+cosβ-cosαcosβ+sinαsinβ
となります。
この式を整理すると、
cosα+cosβ+cosγ=rac{1}{2}+rac{1}{2}(1+2cosα+2cosβ-2cosαcosβ+2sinαsinβ)
と考えることもできますが、より簡単には以下の恒等式を利用します。
cosα+cosβ=2cos((α+β)/2)cos((α-β)/2)
また、γ=π-(α+β)なので、
cosγ=-cos(α+β)
となります。
ここで、α+βを固定すると、cosα+cosβはα=βのとき最大になります。したがって、最大値はα=β=γ=π/3のときに現れます。
このとき、
cosα+cosβ+cosγ=3cos(π/3)=3×1/2=3/2
となります。
よって、
cosα+cosβ+cosγ≦3/2
が証明されました。
別解:三角形の性質を使った考え方
この問題は、三角形の内角を利用するとさらに直感的に理解できます。
α、β、γを三角形の内角とすると、cosα+cosβ+cosγは三角形の形によって変化します。正三角形では3つの角がすべて60度になり、最もバランスの良い状態になります。
正三角形の場合、
α=β=γ=π/3
であり、
cosπ/3+cosπ/3+cosπ/3=1/2+1/2+1/2=3/2
となります。
つまり、この問題では角度が均等になるときに余弦の和が最大になることを示しています。
等号が成り立つ条件
不等式の等号成立条件を確認します。
最大値となるのは、3つの角が等しい場合です。
つまり、
α=β=γ
です。
さらに、
α+β+γ=π
なので、
3α=π
より、
α=π/3
となります。
したがって、等号成立条件は、
α=β=γ=π/3
です。
この問題を解くときのポイント
三角関数の不等式では、単純に計算するだけではなく、「条件によってどこで最大値や最小値になるか」を考えることが重要です。
今回の問題では、α+β+γが一定であるため、3つの角が均等になる正三角形の状態が最大になるという考え方がポイントになります。
また、加法定理や半角公式を使った変形も有効なので、公式を暗記するだけでなく、どの場面で使えるかを理解しておくことが大切です。
まとめ
α+β+γ=π、α≧0、β≧0、γ≧0の条件では、cosα+cosβ+cosγは最大でも3/2になります。
証明では加法定理や三角形の性質を利用し、最大値がα=β=γ=π/3のときに現れることを確認します。
したがって、
cosα+cosβ+cosγ≦3/2
であり、等号成立条件はα=β=γ=π/3です。


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