LEDの赤・緑・青が白く見える理由とは?光の混色と絵の具の混色の違いを解説

工学

LED照明や電車の表示器では、赤・緑・青の光を組み合わせることで白色を作り出しています。一方で、絵の具では赤・緑・青を混ぜても白にはならず、暗い色になってしまいます。

この違いは、光と絵の具では「色を作る仕組み」がまったく異なるためです。光の混色と物質の混色の違いを理解すると、なぜLEDでは白色が作れるのかが分かります。

光の三原色とは何か

光の色は、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3色を基本として考えることができます。この3色は「光の三原色」と呼ばれています。

光の場合、色は目に入る光の波長によって感じられます。赤・緑・青の光を適切な強さで同時に目に入れると、人間の目はそれを白い光として認識します。

例えば、テレビやスマートフォンの画面も、非常に小さな赤・緑・青の光の点(画素)を組み合わせて、多くの色を表現しています。

LEDが赤・緑・青で白色を作れる理由

LED照明では、赤色LED、緑色LED、青色LEDを組み合わせることで、それぞれの光が直接目に届きます。

光は足し算のように重なる性質を持っています。赤い光に緑の光を加えると黄色に見え、さらに青い光を加えると白色に近い光になります。

これは「加法混色」と呼ばれる仕組みです。光の量が増えるほど明るくなり、最終的に白色になります。

絵の具を混ぜても白にならない理由

絵の具の場合は、光を発生させているわけではなく、周囲の光を反射して色を見せています。そのため、光の混色とは仕組みが異なります。

例えば、赤い絵の具は赤い光を多く反射し、それ以外の光を吸収します。緑や青の絵の具も同じように特定の光を反射し、それ以外を吸収します。

そのため、赤・緑・青の絵の具を混ぜると、多くの光が吸収され、反射される光が少なくなります。その結果、白ではなく暗い色になります。

このような色の混ぜ方は「減法混色」と呼ばれ、色を混ぜるほど暗くなる特徴があります。

加法混色と減法混色の違い

光の混色と絵の具の混色の違いは、色を作る方法にあります。

種類 対象 仕組み
加法混色 光を足して色を作る
減法混色 絵の具・インク 光を吸収して色を作る

加法混色では、赤・緑・青を重ねるほど明るくなり、最終的に白になります。

一方、減法混色では、色を重ねるほど吸収される光が増えるため、黒や暗い色に近づきます。

なぜ人間の目はRGBを組み合わせて白と感じるのか

人間の目の網膜には、主に赤・緑・青の光を感じる3種類の錐体細胞があります。これらが刺激される割合によって、脳がさまざまな色を認識しています。

赤・緑・青の光が同じ程度に刺激されると、脳はその状態を白として処理します。

つまり、白い光というものは、必ずしも白という1種類の波長が存在するわけではなく、複数の光が組み合わさって人間が白と感じている場合もあります。

白色LEDが実用化された仕組み

実際の白色LED照明では、赤・緑・青のLEDを組み合わせる方法だけではなく、青色LEDと黄色の蛍光体を利用する方式も広く使われています。

青色LEDの光を蛍光体に当てることで、黄色成分を含む光を作り出し、それらが混ざることで人間の目には白色に見えます。

青色LEDの発明によって高効率な白色LED照明が可能になり、現在の省エネルギー照明やディスプレイ技術の発展につながっています。

まとめ|LEDの白と絵の具の白の違いは光の混ぜ方にある

LEDの赤・緑・青が白く見えるのは、光を足し合わせる「加法混色」という仕組みによるものです。

一方、絵の具は光を吸収して反射することで色を作るため、赤・緑・青を混ぜても白にはならず暗い色になります。

同じ「色を混ぜる」という表現でも、光を混ぜる場合と物質を混ぜる場合では仕組みが異なります。この違いを知ることで、LEDやテレビ、印刷技術などの色表現の仕組みも理解しやすくなります。

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