古典文法「来たり」の活用はなぜ四段活用?カ行変格活用との違いを解説

文学、古典

古典文法の動詞の活用問題では、「来」という漢字を見るとカ行変格活用(カ変)を思い浮かべる人が多くいます。しかし、「来たり」のような形では、必ずしもカ変になるとは限りません。この記事では、「来たり」の活用の種類がなぜ四段活用になるのか、古典特有の動詞の見分け方を分かりやすく解説します。

「来たり」はカ行変格活用ではない理由

「来」という漢字を見ると、現代語の「来る」を連想するため、「来たり」もカ行変格活用ではないかと思いやすいです。

しかし、古典文法では漢字ではなく、その動詞がどのように活用するかで種類を判断します。同じ「来」という字を使っていても、古典では複数の読み方や意味が存在します。

今回の「来たり」は「きたり」ではなく、「きたり」または「来(いた)り」と読む場合があり、文脈によって判断する必要があります。

「来たり」の正体は動詞「来(く)」ではなく「来(きた)る」

質問の文「~いづ方より来たりて、いづ方へか去る。」の「来たり」は、「来(く)」ではなく「来(きた)る」という動詞です。

「来(きた)る」は現代語の「やって来る」「近づいて来る」という意味を持つ動詞で、古典では四段活用をします。

つまり、「来」という漢字が使われていても、動詞そのものが「来る(く)」ではなく「来たる(きたる)」であれば、活用の種類はカ行変格活用ではなく四段活用になります。

「来(く)」と「来(きた)る」の活用の違い

古典で混乱しやすい「来(く)」と「来(きた)る」の違いを確認してみましょう。

動詞 意味 活用
来(く) 来る、やって来る カ行変格活用
来(きた)る やって来る、近づいて来る カ行四段活用

例えば「人来(き)たり」と書かれていて「来(く)」であればカ変ですが、「都より人来(きた)りて」のように「来たる」の意味なら四段活用になります。

「来たる」の活用表を確認する

「来(きた)る」はカ行四段活用の動詞です。活用すると以下のようになります。

活用形
未然形 来たら
連用形 来たり
終止形 来たる
連体形 来たる
已然形 来たれ
命令形 来たれ

問題文の「来たりて」は、「来たる」の連用形「来たり」に接続助詞「て」が付いた形です。

そのため、「来たり」の部分だけを見ると連用形であり、動詞の種類はカ行四段活用になります。

古典の活用問題では漢字ではなく読みと意味を見る

古典文法の動詞問題でよくある間違いは、漢字だけを見て判断してしまうことです。

例えば「生」という漢字でも、「生く(いく)」なのか「生ず(しょうず)」なのかで活用は変わります。同じ漢字でも、読み方や意味によって別の動詞として扱われます。

活用の種類を判断するときは、①読み方を確認する、②意味を考える、③辞書形に戻す、という順番で考えると間違いが減ります。

まとめ|「来たり」は「来たる」だから四段活用になる

「来たり」がカ行変格活用ではなく四段活用になる理由は、この「来」がカ変動詞「来(く)」ではなく、四段活用の動詞「来(きた)る」だからです。

古典では漢字だけを見ると判断を間違えやすいため、必ず読み方と意味を確認することが大切です。

「来=カ変」と暗記するのではなく、「来る(く)」と「来たる(きたる)」のように別の動詞があることを理解しておくと、同じような問題にも対応できるようになります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました