「取拂方ニ相懸り被申候様相達し候」の現代語訳と意味を解説

文学、古典

古文書や江戸時代の記録などで見られる「取拂方ニ相懸り被申候様相達し候」という表現は、現代の日本語とは異なる言い回しが使われているため、意味を読み取るには当時の公文書表現を理解する必要があります。この記事では、この文の現代語訳と、それぞれの語句が持つ意味について分かりやすく解説します。

「取拂方ニ相懸り被申候様相達し候」の現代語訳

「取拂方ニ相懸り被申候様相達し候」は、現代語にすると「取り払いの手続きに取りかかるよう申し付けられました」「撤去・処分の方に取り掛かるよう指示されました」という意味になります。

ただし、「取拂(とりはらい)」が何を指しているかによって細かな意味は変わります。例えば、建物や物品の撤去であれば「片付け・撤去」、金銭関係であれば「支払い・精算」といった意味になる場合があります。

古文書では、単語そのものだけでなく、その文書が作られた状況や前後の文章を確認することで、より正確な意味を判断できます。

各語句の意味を分解して解説

「取拂」は「取り払う」という意味で、物を除去することや、不要なものを処理することを表します。江戸時代の文書では、建物・道具・土地上のものなどを撤去する場面で使われることがありました。

「方(かた)」は方向や方法を表す言葉ですが、古文書では「〜について」「〜の件」という意味で使われることがあります。「取拂方ニ」は「取り払いの件について」「取り払いの方へ」という意味になります。

「相懸り」は「取り掛かる」「着手する」という意味です。「相」は古文書や公的な文章でよく使われる接頭語で、動作を改まった表現にしています。

「被申候様相達し候」の意味

「被申候(もうされそうろう)」は、相手から言われたことや命じられたことを表す尊敬・受身的な表現です。現代語では「申し付けられる」「言われる」に近い意味になります。

「様相達し候(ようあいだっしそうろう)」は、「そのように伝えられた」「そのように指示が届いた」という意味です。

つまり、「取拂方ニ相懸り被申候様相達し候」という文章全体では、誰か上位の人物や役所などから、取り払い作業を始めるよう指示があったことを記録している表現と考えられます。

江戸時代の文書で使われる「候文」の特徴

この文章は「候文(そうろうぶん)」と呼ばれる、江戸時代から明治初期頃まで公的な文章で広く使われた文体です。

「候」は現代語の「です」「ます」に近い役割を持ち、文章を丁寧で改まった形にするために使われました。例えば「承知仕候」は「承知しました」、「相違無之候」は「違いありません」という意味になります。

そのため、「候」が多く使われている文章は、役所の記録や手紙、報告書などの可能性が高く、現代文の感覚だけで読むと分かりにくい特徴があります。

文脈によって変わる「取拂」の解釈

「取拂」は文脈によって意味が変化します。例えば、古い土地関係の文書であれば「建物や障害物を撤去すること」、商取引の文書であれば「代金を支払うこと」を意味する場合があります。

具体的には、「家屋取拂」と書かれていれば「家を取り壊すこと」、「金子取拂」と書かれていれば「金銭を支払うこと」というように、前後の語句によって判断します。

そのため、この一文だけで完全な意味を確定するには限界があり、元の史料全体を見ることが重要です。

まとめ|「取拂方ニ相懸り被申候様相達し候」は指示を受けて着手する意味

「取拂方ニ相懸り被申候様相達し候」は、現代語では「取り払いの作業に取り掛かるよう指示されました」という意味になります。

ただし、「取拂」が撤去なのか支払いなのかは、文書の内容や時代背景によって変わります。古文書を正確に読むには、一文だけではなく前後の記述や当時の状況を合わせて判断することが大切です。

候文特有の表現を理解すると、江戸時代や近代初期の記録をより深く読み解けるようになります。

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