多項式の割り算では、割る式の解を利用して余りを求める方法があります。しかし、複素数を使って計算すると「x=i」と「x=-i」の両方を代入した結果が一致しないように見えて、混乱してしまうことがあります。この記事では、x^2011をx^2+1で割った余りを求める問題を例に、なぜ答えが-xになるのか、どのように考えればよいのかを詳しく解説します。
多項式の余りは一次式になることを確認する
まず、多項式をx^2+1で割る場合、余りの次数は割る式の次数より低くなります。
割る式x^2+1は2次式なので、余りは1次以下の式になります。そのため、余りをax+bと置くことができます。
つまり、x^2011は次のように表せます。
x^2011=(x^2+1)Q(x)+ax+b
ここでQ(x)は商を表しています。
x=iを代入して余りを求める方法
x^2+1=0となるxの値を考えると、x^2=-1なので、x=iまたはx=-iになります。
x=iを代入すると、左辺はi^2011になります。ここで指数を整理します。
iの4乗は1なので、2011を4で割った余りを考えます。2011÷4の余りは3なので、i^2011=i^3=-iとなります。
また、右辺では(x^2+1)Q(x)の部分が0になるため、余りだけが残ります。
-i=ai+b
となります。実部と虚部を比較すると、b=0、a=-1となります。
したがって、余りは-xであると分かります。
x=-iを代入すると矛盾して見える理由
次にx=-iを代入すると、同じように考えることができます。
左辺は(-i)^2011になります。ここで注意が必要です。(-i)^2011を単純に-iとしてはいけません。
(-i)^2=-1、(-i)^4=1なので、2011を4で割った余り3を利用します。
(-i)^2011=(-i)^3=i
となります。
したがって代入後の式は次のようになります。
i=-ai+b
実部と虚部を比較すると、b=0、a=-1となります。
つまり、x=-iを使っても余りは-xとなり、矛盾は起こりません。
なぜx=-iでa=1と間違えてしまうのか
混乱の原因は、x=iの場合の計算結果をそのままx=-iの場合にも当てはめてしまうことです。
x=iではi^2011=-iになりますが、x=-iでは(-i)^2011=iになります。ここを間違えると、
-i=-ai+b
としてしまい、a=1という誤った結果になります。
複素数の累乗では、符号の扱いが非常に重要です。特に(-i)^nでは、i^nとは異なる結果になるため、必ず計算し直す必要があります。
別の解法:余りの形から直接考える方法
この問題は、x^2+1=0という関係を利用すると、さらに簡単に考えることもできます。
x^2=-1なので、x^4=1になります。そのため、xの4乗ごとの周期を利用できます。
x^2011=x^(4×502+3)=(x^4)^502×x^3
となります。
x^4=1なので、
x^2011=x^3
です。
さらにx^2=-1より、
x^3=x×x^2=-x
となります。
したがって余りは-xとすぐに求められます。
まとめ:x=-iを除く必要はなく、累乗計算の符号に注意する
多項式の割り算でx=iだけを使う方法でも答えは求められますが、x=-iを使ってはいけないわけではありません。
今回の問題で2つの答えが出たように見えた原因は、(-i)^2011の計算を誤ったことです。
複素数を利用した余りの計算では、代入する値だけでなく、その値の累乗の周期や符号まで丁寧に確認することが大切です。正しく計算すれば、x=iでもx=-iでも余りは-xとなり、解答と一致します。


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