二次式の平方根を含む不定積分「∫1/√(ax²+bx+c)dx」は、大学数学や高校数学の積分でよく登場する代表的な形です。見た目が複雑ですが、二次式を平方完成して標準形に変形することで、対数関数や逆三角関数を使って解くことができます。
この記事では、a,b,cが0ではない一般的な場合について、どのように変形し、どの公式を利用すればよいのかを順番に解説します。
まず二次式を平方完成する
与えられた積分は、
I=∫dx/√(ax²+bx+c)
です。
まず分母の二次式を平方完成します。
ax²+bx+c=a(x²+(b/a)x)+c
ここで、
x²+(b/a)x=(x+b/(2a))²-b²/(4a²)
なので、
ax²+bx+c=a(x+b/(2a))²+(4ac-b²)/(4a)
となります。
この形に変形することで、積分の基本形に近づけることができます。
置換積分で単純な形に変える
平方完成後、
t=x+b/(2a)
と置換します。
すると、
dx=dt
となり、積分は
I=∫dt/√(at²+(4ac-b²)/(4a))
という形になります。
ここからはaの符号や判別式によって結果の形が変わります。
判別式による場合分け
二次式ax²+bx+cの判別式を、
D=b²-4ac
とします。
この値によって平方根の中身の形が変化するため、積分結果も変わります。
D>0の場合
この場合、二次式は実数解を持ち、積分結果は対数関数を使った形になります。
一般的な公式として、
∫dx/√(ax²+bx+c)=1/√a・ln|2√(a(ax²+bx+c))+2ax+b|+C
となります。
ただし、この公式はa>0の場合を基本としており、aの符号によって絶対値や定数部分の扱いが変わります。
D<0の場合
判別式が負の場合、二次式は常に同じ符号を保ちます。
この場合は逆三角関数を使う形になり、例えばa>0なら、
I=1/√a・log|2√a√(ax²+bx+c)+2ax+b|+C
のような対数型の表現になります。
また、変形によってはarcsinを使った形で表されることもあります。
公式を導く考え方
この積分公式は暗記することもできますが、平方完成から導く流れを理解しておくと応用が利きます。
例えば、
∫dx/√(x²+A)
という形まで変形できれば、x=√A sinh tなどの双曲線関数による置換や、標準公式を利用できます。
高校範囲では主に平方完成と置換積分による処理を行い、大学範囲ではさらに三角関数置換や双曲線関数を使って整理することがあります。
具体例で確認する
例えば、
I=∫dx/√(x²+2x+5)
を考えます。
分母を平方完成すると、
x²+2x+5=(x+1)²+4
となります。
ここでu=x+1と置けば、
I=∫du/√(u²+4)
となり、標準的な積分公式を利用できます。
このように、複雑に見える二次式でも、平方完成によって基本形へ変換することが解法の中心になります。
まとめ|二次式の平方根を含む積分は平方完成が第一歩
「∫1/√(ax²+bx+c)dx」のような積分は、そのままでは難しく見えますが、二次式を平方完成することで標準的な積分に変形できます。
基本的な流れは、①平方完成する、②置換する、③判別式や係数に応じた公式を利用する、という手順です。
公式だけを覚えるよりも、なぜその形になるのかを理解しておくことで、係数が変わった問題でも対応できるようになります。


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