ファナックのロボドリルで加工を行う際、ワークのXY中心を正確に合わせる芯出し作業は、加工精度を左右する重要な工程です。現在はピックテスターなどを使って手作業で微調整している現場も多くありますが、自動で芯出しできる方法があるのか気になる方もいるでしょう。この記事では、ロボドリルで利用できる自動位置決めの考え方や、芯出し作業を効率化するための方法について解説します。
ロボドリル標準機能だけで完全な自動芯出しはできるのか
ファナックのロボドリルは高精度な小型マシニングセンタですが、機械単体でワークを自動認識してXY中心を探し出す機能が標準で搭載されているわけではありません。
通常の加工では、作業者がバイスや治具にワークをセットし、エッジファインダーやピックテスターなどを使用して基準位置を合わせ、その座標を加工原点として設定します。
そのため、何も追加装置を使用しない状態では、現在行っているような手動での芯出し作業が一般的な方法になります。
ロボドリルで自動芯出しを行う代表的な方法
ロボドリルで芯出し作業を自動化したい場合は、追加の計測機器やソフトウェアを組み合わせる方法が使われます。代表的なのがタッチプローブによる自動計測です。
タッチプローブとは、主軸に取り付けて使用する測定用のプローブで、ワークに接触することで位置を検出できます。これを利用すると、ワークの端面や穴位置などを自動測定し、加工座標を自動補正できます。
例えば、ワークの左右端面を測定して中心位置を計算したり、円形部品の中心を自動検出して加工原点を設定したりすることが可能になります。
タッチプローブを使った自動芯出しの流れ
タッチプローブを利用した場合、一般的には以下のような流れで芯出しを行います。
- 作業者がワークを治具にセットする
- NCプログラムでプローブ測定動作を実行する
- プローブがワークの基準面や穴位置を測定する
- 測定結果から座標を自動計算する
- 加工原点や補正値を自動設定する
この方法では、毎回ピックテスターで確認する作業を減らすことができ、段取り時間の短縮や作業者による誤差の低減につながります。
自動芯出しに向いている加工現場とは
自動芯出しは、特に同じ形状のワークを繰り返し加工する量産加工や、段取り替えが多い現場で効果を発揮します。
例えば、毎日同じ部品を数十個、数百個加工する場合、1個ごとにピックテスターで中心を確認するより、プローブによる自動測定を導入した方が作業時間を大きく削減できます。
一方で、試作品や単品加工が中心の場合は、設備投資やプログラム作成の手間を考えると、手動芯出しの方が効率的な場合もあります。
ロボドリルの芯出し精度を高めるポイント
自動化を導入するかどうかに関係なく、芯出し精度を高めるにはワーク固定方法や基準面の管理が重要です。
例えば、バイスの締め付けによるワークの浮きや、治具の摩耗があると、正確に測定しても加工位置がずれる原因になります。
また、プローブを使用する場合でも、プローブ自体の長さ補正や芯ずれ補正が適切に行われている必要があります。測定機器の校正管理も加工精度を維持する重要なポイントです。
まとめ:ロボドリルの自動芯出しは追加機器で実現できる
ファナックのロボドリルでは、標準状態で完全な自動芯出し機能が備わっているわけではありません。しかし、タッチプローブなどの計測機器を追加することで、ワーク位置の自動測定や加工原点の自動設定が可能になります。
現在ピックテスターで行っているXY芯出し作業は、自動計測システムを導入することで省力化できる可能性があります。
導入の判断は、加工数量や段取り頻度、必要な精度によって変わります。量産加工や作業時間短縮を重視する場合は、プローブによる自動芯出しを検討する価値があります。


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