二酸化炭素を冷やすとドライアイスになることはよく知られていますが、「一酸化炭素も固体になったらドライアイスになるのか」「昇華する性質があるのか」と疑問に感じる方もいます。
一酸化炭素にも気体・液体・固体という状態変化があり、条件によっては固体になることがあります。ただし、二酸化炭素のドライアイスとは性質が大きく異なります。この記事では、一酸化炭素の昇華や固体状態について詳しく解説します。
一酸化炭素は昇華するのか
一酸化炭素(CO)は、条件を整えると固体になります。そして固体の一酸化炭素は、液体を経由せずに気体へ変化する「昇華」という現象を起こします。
ただし、日常生活で一酸化炭素の昇華を見ることはありません。一酸化炭素の沸点は約−191.5℃、融点は約−205℃と非常に低温であり、通常の環境では気体として存在しています。
例えば、家庭の冷凍庫程度の温度では一酸化炭素は全く固体にならず、極低温を作り出せる特殊な実験環境でのみ固体化を確認できます。
固体の一酸化炭素はドライアイスなのか
一酸化炭素が固体になっても、それはドライアイスではありません。ドライアイスとは、固体の二酸化炭素(CO₂)のことを指す名称です。
一酸化炭素(CO)と二酸化炭素(CO₂)は、どちらも炭素と酸素からできていますが、分子の構造や性質は大きく異なります。
| 物質 | 化学式 | 固体の名称 |
|---|---|---|
| 一酸化炭素 | CO | 固体一酸化炭素 |
| 二酸化炭素 | CO₂ | ドライアイス |
つまり、「炭素と酸素からできた固体」という点では似ていますが、ドライアイスという名前が付くのは二酸化炭素だけです。
一酸化炭素が再び気体になったら何になるのか
固体の一酸化炭素が温度上昇によって昇華すると、再び一酸化炭素の気体になります。化学反応が起こらない限り、物質そのものは変化しません。
例えば、水を凍らせても温めれば水蒸気になるのと同じように、一酸化炭素も固体から気体へ状態が変化するだけです。
固体一酸化炭素 → 気体一酸化炭素という変化であり、二酸化炭素になったり、別の物質に変化したりするわけではありません。
一酸化炭素と二酸化炭素の違い
一酸化炭素と二酸化炭素は名前が似ていますが、性質には大きな違いがあります。
一酸化炭素は酸素原子が1個しかない分子で、燃焼が不完全なときなどに発生します。また、人体に対して有害であり、血液中のヘモグロビンと結びついて酸素運搬を妨げる性質があります。
一方、二酸化炭素は酸素原子を2個持つ分子で、植物の光合成にも利用されます。固体化したものがドライアイスとして冷却材などに使われています。
なぜ二酸化炭素はドライアイスとして有名なのか
二酸化炭素がドライアイスとして利用される理由は、常圧では液体にならず、固体から直接気体になる性質を持つためです。
ドライアイスは温めると液体を経由せず気体になるため、周囲を濡らさずに冷却できます。そのため、食品輸送や舞台演出など幅広い用途で利用されています。
一酸化炭素も固体状態では昇華しますが、非常に低い温度が必要であり、毒性もあるため、ドライアイスのように一般利用されることはありません。
まとめ|一酸化炭素も昇華するがドライアイスではない
一酸化炭素は非常に低温にすると固体になり、その固体は昇華して再び気体の一酸化炭素になります。
しかし、ドライアイスという名称は固体二酸化炭素だけに使われるものであり、固体一酸化炭素をドライアイスと呼ぶことはありません。
物質は状態変化しても化学式が変わらない限り同じ物質のままです。一酸化炭素の場合も、固体になっても気体に戻っても一酸化炭素として存在します。


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