大学の力学では、万有引力による惑星運動を運動方程式から解析し、ケプラーの法則を導く問題がよく扱われます。特に第3法則は、惑星の公転周期と軌道半径の関係を示す重要な結果であり、ニュートン力学から自然に導かれることを理解することが大切です。
この記事では、太陽と惑星の間に働く万有引力をもとに運動方程式を立て、円軌道の場合を例としてケプラーの第3法則がどのように導かれるのかを順番に解説します。
ケプラーの第3法則とは何か
ケプラーの第3法則は、「惑星の公転周期の2乗は、軌道長半径の3乗に比例する」という関係です。
式で表すと、惑星の公転周期をT、軌道半径をrとした場合、次のようになります。
T² ∝ r³
つまり、太陽から遠い惑星ほど1周する時間は長くなりますが、その関係は単純な比例ではなく、周期の2乗と距離の3乗が一定の割合になるということです。
太陽と惑星の間に働く万有引力を考える
太陽の質量をM、惑星の質量をm、太陽と惑星の距離をrとすると、万有引力の大きさはニュートンの万有引力の法則より、
F = GMm/r²
となります。ここでGは万有引力定数です。
惑星はこの力によって太陽の周りを公転しています。したがって、この万有引力が惑星の向心力になると考えます。
運動方程式を立てる
円運動する物体には向心力が必要で、その大きさは、
F = mv²/r
で表されます。
太陽から受ける万有引力が向心力になるため、両者を等しいと置きます。
GMm/r² = mv²/r
ここで惑星の質量mは両辺から消えるため、
GM/r² = v²/r
整理すると、
v² = GM/r
となります。
公転速度と周期の関係を利用する
惑星が半径rの円軌道を1周する距離は2πrです。公転周期をTとすると、速度vは、
v = 2πr/T
と表せます。
この式を先ほど求めたv² = GM/rに代入します。
(2πr/T)² = GM/r
左辺を計算すると、
4π²r²/T² = GM/r
両辺を整理して、
T² = 4π²r³/GM
となります。
ケプラー第3法則が導かれる
導いた式、
T² = 4π²r³/GM
を見ると、太陽の質量Mと万有引力定数Gは一定なので、
T² ∝ r³
となります。
これがケプラーの第3法則です。つまり、惑星の運動を記述する経験則だったケプラーの法則は、ニュートンの運動方程式と万有引力の法則によって理論的に説明できることになります。
実際の惑星運動ではどのように考えるのか
ここでは計算を簡単にするため円軌道として扱いましたが、実際の惑星軌道は完全な円ではなく楕円です。
しかし、楕円軌道の場合でもケプラーの第3法則は成立します。その場合、半径rの代わりに軌道長半径aを用いて、
T² ∝ a³
という形になります。
大学の力学では、円運動による導出を理解した後、角運動量保存則や中心力運動を使ってより一般的な惑星運動へ発展させていきます。
まとめ|運動方程式から惑星の周期と距離の関係を導ける
ケプラー第3法則は、単なる観測結果ではなく、ニュートン力学によって説明できる惑星運動の基本法則です。
導出の流れは、万有引力を求める→それを向心力と等しくする→速度と周期の関係を代入する→T²∝r³を得る、という手順になります。
力学の問題では、現象をただ暗記するのではなく、どの力が運動を決めているのかを考えて運動方程式を立てることが解答への近道になります。


コメント