∫_0^{\pi/2}log(1+a\sin x)dx の求め方|01 を場合分けして解説

大学数学

定積分 \(\int_0^{\pi/2}\log(1+a\sin x)dx\) は、三角関数と対数関数が組み合わさった典型的なパラメータ積分の問題です。高校数学の範囲を超える内容も含まれますが、大学数学や数学オリンピック系の問題ではよく知られている手法で解くことができます。本記事では、パラメータ \(a\) の値によって場合分けしながら、この積分を求める流れを詳しく解説します。

まずは積分を関数として考える

次の関数を定義します。

\(I(a)=\int_0^{\pi/2}\log(1+a\sin x)dx\)

この種の問題では、積分の中に含まれるパラメータ \(a\) で微分する方法が有効です。

積分記号の下で微分すると

\(I'(a)=\int_0^{\pi/2}\frac{\sin x}{1+a\sin x}dx\)

となります。

パラメータ積分では、まず微分して簡単な積分へ変換するのが定石です。

I'(a) を計算する

被積分関数を変形すると

\(\frac{\sin x}{1+a\sin x}=\frac1a\left(1-\frac1{1+a\sin x}\right)\)

したがって

\(I'(a)=\frac{\pi}{2a}-\frac1a\int_0^{\pi/2}\frac{dx}{1+a\sin x}\)

となります。

ここで残る積分

\(J(a)=\int_0^{\pi/2}\frac{dx}{1+a\sin x}\)

を求める必要があります。

0<a<1 の場合

置換 \(t=\tan(x/2)\) を用いると

\(\sin x=\frac{2t}{1+t^2},\quad dx=\frac{2dt}{1+t^2}\)

となります。

計算すると

\(J(a)=\frac{2}{\sqrt{1-a^2}}\arctan\sqrt{\frac{1-a}{1+a}}\)

が得られます。

これを用いて積分し、条件 \(I(0)=0\) を利用すると

\(I(a)=\pi\log\left(\frac{1+\sqrt{1-a^2}}2\right)+2\arcsin(a/2)^2\)

と表されます。

別表現としてクラウゼン関数やディロガリズムを用いる形も知られています。

a>1 の場合

今度は分母の判別式の符号が変わるため、積分結果の形も変化します。

同様に \(t=\tan(x/2)\) を用いて計算すると

\(J(a)=\frac1{\sqrt{a^2-1}}\log\left(\frac{a+\sqrt{a^2-1}}{a-1}\right)\)

が得られます。

したがって

\(I'(a)=\frac{\pi}{2a}-\frac1{a\sqrt{a^2-1}}\log\left(\frac{a+\sqrt{a^2-1}}{a-1}\right)\)

となります。

これを積分して定数を決定すると、最終的に対数関数と双曲線関数を含む形で表現できます。

0<a<1 と a>1 では平方根の中身の符号が変わるため、結果の形も異なります。

なぜ場合分けが必要なのか

積分計算の途中では \(\sqrt{1-a^2}\) や \(\sqrt{a^2-1}\) が現れます。

そのため、\(a=1\) を境界として計算式の性質が変わります。

これは二次式の判別式の符号によって、逆三角関数型の結果になるか対数関数型の結果になるかが変わるためです。

範囲 現れる主な関数
0<a<1 逆三角関数(arctan, arcsin)
a>1 対数関数
a=1 境界ケースとして別計算

このタイプの積分で使われる典型手法

今回の問題は大学レベルの積分として有名なタイプです。

主に次の考え方が使われます。

  • パラメータ積分
  • 積分記号下の微分
  • \(t=\tan(x/2)\) のワイエルシュトラス置換
  • 場合分けによる積分評価

これらの手法は特殊関数やフーリエ解析などの分野でも頻繁に利用されます。

まとめ

\(\int_0^{\pi/2}\log(1+a\sin x)dx\) を求めるには、まずパラメータ積分として扱い、\(a\) で微分して積分を簡単化するのが基本方針です。

その後、\(t=\tan(x/2)\) の置換を用いて補助積分を計算し、\(0<a<1\) と \(a>1\) の場合に分けて処理します。

一見すると複雑な積分ですが、パラメータ積分の代表例として非常に重要な問題であり、高度な積分技法を学ぶ上で良い教材となっています。

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