Vプーリー交換時に必要な寸法とは?軸穴加工・キー溝・JISVプーリーの基礎知識を解説

工学

局所排気装置や送風機で使用されるVベルト駆動のファンでは、摩耗や仕様変更に伴いVプーリーを交換することがあります。しかし市販されているVプーリーの多くは軸穴未加工品であり、購入時に軸穴加工を依頼する必要があります。本記事では、加工依頼時に必要な寸法やJISVプーリーと標準Vプーリーの違いについて解説します。

軸穴加工を依頼する際に必要な情報

一般的なVプーリーの追加工では、最低限以下の情報が必要になります。

項目 内容
軸径 モーター軸の実測径
キー溝 有無、幅、深さ
キー規格 平行キーか特殊キーか
軸穴公差 H7などの指定
固定方法 止めねじ、テーパーブッシュなど

多くのケースでは軸径とキー溝寸法が分かれば加工業者が対応可能ですが、既設品と同等品を製作する場合は固定方法まで確認しておくことが重要です。

現物がある場合はノギスやマイクロメーターで実測し、写真も添付すると加工ミスを防ぎやすくなります。

キー溝は幅だけでなく深さも重要

キー溝は単純に幅だけ指定すればよいわけではありません。

JIS規格では軸径ごとにキー寸法が決まっており、キー幅だけでなくキー溝深さも規定されています。

例えば軸径28mmの場合は一般的に平行キー8mm幅が使用されますが、キー溝深さには規定値があります。

既存のモーター軸を流用する場合は、現在取り付いているプーリーのキー溝寸法を測定するのが最も確実です。

JISVプーリーと標準Vプーリーの違い

JISVプーリーとは、日本産業規格(JIS)に基づいて寸法や溝形状が規格化されたプーリーです。

一方で標準Vプーリーという表現はメーカーによって意味が異なり、JIS規格品を指す場合もあれば独自規格品を指す場合もあります。

交換時には以下を確認すると安心です。

  • ベルト断面(A形、B形、C形など)
  • 溝数
  • 外径またはピッチ径
  • メーカー品番

これらが一致していれば、多くの場合で代替可能です。

H7公差は指定すべきなのか

軸穴公差としてH7は非常によく使用されます。

モーター軸とプーリーの組み合わせでは、組立作業性と回転精度のバランスが良いため、多くの送風機や局所排気装置でも採用されています。

ただし既設設備によってはメーカー独自の公差やテーパーブッシュ方式を採用している場合があります。

そのためプロの現場では、図面や現物測定を行い、既設品と同じ寸法・公差で製作することが一般的です。

実務でよく行われる確認方法

設備保全や機械メンテナンスの現場では、単純に型番だけで発注することはあまりありません。

摩耗や改造履歴によって現状が図面と異なる場合があるためです。

そのため次の流れで確認することが多くなります。

  1. 既設プーリーの型番確認
  2. 軸径測定
  3. キー寸法測定
  4. 固定ねじ位置確認
  5. 外径とベルト規格確認
  6. 加工業者へ現物情報を提供

現物支給で製作依頼するケースも少なくありません。

まとめ

Vプーリーの軸穴加工を依頼する場合、軸径、キー溝の有無・幅・深さ、固定方法、必要に応じて公差指定が重要になります。局所排気装置のファン用プーリーではH7公差が採用されることが多いものの、最も確実なのは既設品の実測と現物確認です。プロの保全担当者や機械メーカーも、型番だけでなく実際の寸法を確認してから発注することが一般的です。

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