玄武岩から地球の磁場逆転がわかる理由|古地磁気が記録する地球の歴史をわかりやすく解説

地学

地球の磁場は常に同じ向きではなく、長い地質時代の中で何度もN極とS極が入れ替わる「磁場逆転」を繰り返してきたことが知られています。その証拠の一つとして有名なのが玄武岩です。なぜ岩石から何百万年も前の磁場の向きがわかるのでしょうか。この記事では、玄武岩と地球磁場の関係をわかりやすく解説します。

玄武岩は地球の磁場を記録する

玄武岩はマグマが冷えて固まってできる火成岩です。マグマの中には磁鉄鉱などの磁性鉱物が含まれています。

これらの鉱物は高温の状態では自由な向きを向いていますが、温度が下がるとその時点の地球磁場の方向に整列し、その向きを保ったまま固まります。

つまり玄武岩は、形成された当時の地球磁場の向きを記録した「天然の磁気テープ」のような存在なのです。

磁場逆転はどのように発見されたのか

研究者が各地の玄武岩を調べたところ、現在の地球磁場と同じ向きの磁化を持つ岩石と、逆向きの磁化を持つ岩石が存在することがわかりました。

もし地球の磁場が昔から現在と同じ向きであったなら、すべての岩石は同じ向きの磁化を示すはずです。しかし実際には逆向きの記録が多数発見されたため、過去に磁場が反転したと考えられるようになりました。

その後、年代測定技術の発達によって、いつ逆転が起きたのかも詳しく調べられるようになりました。

海底の玄武岩が決定的な証拠になった

磁場逆転の証拠として特に有名なのが海底玄武岩です。

中央海嶺では新しいマグマが次々に噴出して玄武岩となり、海底が左右へ広がっています。このため海嶺を中心に古い岩石が左右対称に並びます。

海底の磁気を測定すると、現在の磁場と同じ向きの帯と逆向きの帯が交互に並び、それが海嶺を中心に鏡のような対称構造を示していました。

海底の位置 磁化の向き
新しい玄武岩 現在の磁場方向
やや古い玄武岩 逆向き
さらに古い玄武岩 正向き

この発見はプレートテクトニクス理論を支持する重要な証拠にもなりました。

なぜ磁化は長期間保存されるのか

玄武岩中の磁性鉱物は、一度冷えて磁化されると非常に安定した状態になります。

もちろん後から強い熱や変成作用を受けると記録が失われることもありますが、条件が良ければ数千万年から数億年前の磁場情報が保存されます。

そのため地質学者は岩石の磁化を調べることで、過去の地球磁場や大陸移動の歴史を復元できます。

古地磁気学という研究分野

岩石に残された磁気を研究する学問は「古地磁気学」と呼ばれます。

古地磁気学では磁場逆転の履歴だけでなく、大陸が過去にどの位置にあったのか、プレートがどのように移動したのかなども調べています。

現在では地質年代の決定や資源探査など、さまざまな分野で活用されています。

まとめ

玄武岩には磁鉄鉱などの磁性鉱物が含まれており、マグマが冷えて固まる際にその時代の地球磁場の向きを記録します。研究者が玄武岩の磁化を調べた結果、現在と逆向きの磁化を持つ岩石が多数見つかり、地球の磁場が何度も反転してきたことが明らかになりました。特に海底玄武岩の左右対称な磁気パターンは、磁場逆転と海底拡大の強力な証拠として知られています。

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