古典日本語における「す・さす・しむ」の用法と尊敬語・謙譲語との関係

日本語

古典日本語の動詞接尾辞「す」「さす」「しむ」は、使役表現や尊敬表現として学ぶことが多いですが、用法は文脈や後続表現によって変化します。特に、下に来る動詞が尊敬語・謙譲語・丁寧語のいずれかである場合、単純に使役と断定できないケースがあります。

「す・さす・しむ」の基本的な使役用法

「す」「さす」「しむ」は、主に使役の意味を持つ動詞接尾辞です。例えば、「子を学ばす」は「子に学ばせる」の意味で、誰かに行動させることを示します。

基本的には、下に続く動詞が普通形(尊敬語でない場合)、かつ文脈上の主語と対象が明確であれば、使役と判断できます。

下が尊敬語の場合の意味変化

下に尊敬語が来る場合、動作の主体に敬意を表すため、接尾辞「す・さす・しむ」は必ずしも使役とは限りません。尊敬表現が強調されるため、文全体として「尊敬の使役的ニュアンス」を含むことがあります。

例えば、「主君に参らせ給ふ」のような表現では、動作自体は主君の行為ですが、表現として尊敬と使役が重なります。

下が謙譲語や丁寧語の場合

下が謙譲語や丁寧語の場合、接尾辞「す・さす・しむ」は、話者自身の行為をへりくだって述べる効果を持ちます。この場合、単純な使役とは異なり、文全体で謙譲の意味を含むことがあります。

例:「私が申し上げさす」では、単純な使役ではなく、自分の行為をへりくだって表現しています。

使役かどうかの判断ポイント

  • 下に続く動詞の種類(普通形・尊敬語・謙譲語)
  • 文脈上の主語と目的語の関係
  • 話者の意図や敬意の度合い

これらを総合して判断する必要があります。尊敬語・謙譲語が下に来た場合、確定的に使役とは言えず、文脈依存です。

まとめ

「す・さす・しむ」は古典日本語で基本的に使役を示しますが、下に尊敬語や謙譲語、丁寧語が来る場合、単純に使役と決めつけることはできません。文全体の意味や敬意表現を考慮し、主語・目的語の関係や文脈から使役かどうかを判断することが重要です。

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