a²+b²+c²≥ab+bc+ca を利用して a⁴+b⁴+c⁴≥abc(a+b+c) を証明する方法をわかりやすく解説

高校数学

不等式の証明では、与えられた基本不等式に対して文字を別の式に置き換えて利用するテクニックがよく使われます。特に「a²+b²+c²≥ab+bc+ca」を利用する問題では、「a→a²」や「a→ab」のような置換が登場します。しかし、初学者にとってはなぜそのような置換をするのか分かりにくいことがあります。この記事では、a⁴+b⁴+c⁴≥abc(a+b+c) の証明を例に、a→ab の置換の意味を詳しく解説します。

もとの基本不等式を確認する

利用する不等式は次のものです。

a²+b²+c²≥ab+bc+ca

この不等式は、(a-b)²+(b-c)²+(c-a)²≥0 を変形して得られる有名な不等式です。

実数 a,b,c に対して常に成り立ち、等号は a=b=c のときに成立します。

まず a→a² と置き換える

基本不等式の a,b,c をそれぞれ a²,b²,c² に置き換えると、

a⁴+b⁴+c⁴≥a²b²+b²c²+c²a²

が得られます。

証明したい式の左辺には a⁴+b⁴+c⁴ があるので、この形を作るために最初の置換を行っています。

次に a→ab の置換とは何か

ここで再び基本不等式を利用します。

今度は a,b,c をそれぞれ ab,bc,ca と置き換えます。

すると、

(ab)²+(bc)²+(ca)²≥(ab)(bc)+(bc)(ca)+(ca)(ab)

となります。

右辺を整理すると、

a²b²+b²c²+c²a²≥abc(a+b+c)

になります。

解答にある「a→ab と置き換える」とは、単に文字 a を ab に、文字 b を bc に、文字 c を ca に置き換えて基本不等式を適用しているだけなのです。

2つの不等式をつなげる

ここまでで次の2つが得られました。

番号 得られた不等式
a⁴+b⁴+c⁴≥a²b²+b²c²+c²a²
a²b²+b²c²+c²a²≥abc(a+b+c)

①と②をつなげると、

a⁴+b⁴+c⁴≥a²b²+b²c²+c²a²≥abc(a+b+c)

となります。

したがって、

a⁴+b⁴+c⁴≥abc(a+b+c)

が証明されました。

なぜこの置換を思いつくのか

不等式の証明では、証明したい式の右辺や左辺に似た形を作ることが重要です。

今回の右辺は abc(a+b+c) です。展開すると、

a²bc+ab²c+abc²

となります。

これは (ab)(bc)+(bc)(ca)+(ca)(ab) と同じ形です。

そこで基本不等式の ab+bc+ca の部分から abc(a+b+c) を作るために、a,b,c を ab,bc,ca に置き換える発想が出てきます。

まとめ

解答の「a→ab と置き換える」とは、基本不等式 a²+b²+c²≥ab+bc+ca の各文字に対して a=ab、b=bc、c=ca を代入することを意味します。

その結果、a²b²+b²c²+c²a²≥abc(a+b+c) が得られます。

さらに、a→a² の置換から得られる a⁴+b⁴+c⁴≥a²b²+b²c²+c²a² と組み合わせることで、目的の不等式 a⁴+b⁴+c⁴≥abc(a+b+c) が自然に証明できます。不等式の置換では「証明したい式に似た形を作る」という視点を持つと理解しやすくなります。

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