階乗を含む整数問題では、式をそのまま計算するのではなく、共通因数をくくり出して構造を見抜くことが重要です。特に「n!+(n+10)!はnで何回割り切れるか」という問題は、階乗の性質と指数の考え方を組み合わせる典型例です。この記事では、式の変形から何回nで割り切れるのかを考える方法を解説します。
まずは共通因数n!をくくり出す
与えられた式は次の通りです。
n!+(n+10)!
(n+10)!にはn!が含まれているため、n!でくくることができます。
n!+(n+10)!=n!{1+(n+1)(n+2)…(n+10)}
この形にすると、n!が大きな共通因数であることが分かります。
「nで何回割り切れる」とは何を意味するのか
整数問題で「nで何回割り切れるか」という表現は、一般に式がnの何乗まで割り切れるかを調べることを意味します。
つまり、ある整数kについてn^kで割り切れ、n^(k+1)では割り切れないとき、その式はnでk回割り切れると考えます。
そのため、n!の中に何個のnが含まれるかを考える必要があります。
n!には少なくとも1個のnが含まれる
n!は
1×2×3×…×n
であるため、最後の因数としてn自身を持っています。
したがってn!は必ずnで割り切れます。
さらにn!の中にnの倍数が他にも存在するかどうかはnの値によって異なります。
例えばn=12なら24は含まれないので12は1回だけですが、n=6なら6と12が含まれるため指数が増える場合があります。
括弧の中はnで割り切れるか
次に括弧の部分を考えます。
1+(n+1)(n+2)…(n+10)
各因子をnで割った余りで考えると、(n+1)≡1、(n+2)≡2、…、(n+10)≡10となります。
したがって括弧の中は
1+10!
と合同になります。
一般には1+10!=3628801であり、多くのnに対してnの倍数にはなりません。
そのため追加でnが因数として現れるとは限らず、基本的にはn!が持つnの指数がそのまま支配的になります。
具体例で確認してみる
n=11の場合を考えます。
11!+21!=11!{1+12×13×…×21}
括弧の中は11の倍数ではありません。
したがって11でちょうど1回割り切れます。
一方、n=6の場合は6!の中に6とその倍数由来の因子が含まれるため、6の指数が大きくなる可能性があります。
このように厳密な回数はnの素因数分解によって変化します。
一般的な考え方は素因数分解を使う
より高度な整数問題では、まずnを素因数分解します。
例えば
n=p₁^a₁p₂^a₂…
と表し、n!の中に各素数が何個含まれるかをルジャンドルの公式などで調べます。
その後、括弧部分に追加の因子が現れるかを確認します。
大学受験レベルや数学オリンピック系の問題では、この発想が非常に重要です。
まとめ
n!+(n+10)!はまずn!でくくることで構造が見やすくなります。
式はn!{1+(n+1)(n+2)…(n+10)}と変形でき、一般には括弧部分がnの倍数になるとは限りません。そのため、何回nで割り切れるかを調べる際は、主にn!の中に含まれるnの指数を考えることになります。
この種の問題では、共通因数でくくる→合同式で調べる→素因数分解で指数を数える、という流れを身につけることが重要です。


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