イオン半径の大小を見分ける方法|Na+・Ca2+・K+・Mg2+の並べ方を解説

化学

イオン半径の大小を比較する問題では、単純に元素の周期表上の位置を見るだけでは間違えることがあります。特にNa+、Ca2+、K+、Mg2+のように電子数が異なるイオンを比べる場合は、電子配置と核電荷の関係を理解することが重要です。この記事では、イオン半径を決める考え方と、これら4種類のイオンを正しく並べる方法をわかりやすく解説します。

イオン半径を決める基本的な考え方

イオン半径とは、イオンの大きさを表す値です。この大きさは主に「電子殻の数」と「原子核が電子を引きつける力」によって決まります。

基本的には、電子殻が多いほどイオン半径は大きくなります。例えば、同じ族の元素では下に行くほど電子殻が増えるため、原子やイオンのサイズは大きくなります。

一方で、同じ電子数を持つイオン同士を比較する場合は、原子核の陽子数が多い方が電子を強く引きつけるため、イオン半径は小さくなります。

まずは各イオンの電子数を確認する

イオン半径を比較するときは、まずそれぞれのイオンが何個の電子を持っているかを確認します。

イオン 原子番号 電子数
Na+ 11 10個
Mg2+ 12 10個
Ca2+ 20 18個
K+ 19 18個

この表から分かるように、Na+とMg2+は電子数が同じ10個、Ca2+とK+は電子数が同じ18個です。

同じ電子数のイオン同士では、陽子数が多い方が電子を強く引き寄せるため、小さいイオンになります。

Na+とMg2+の大きさを比較する

Na+とMg2+はいずれも電子を10個持っており、電子配置はネオン(Ne)と同じです。このようなイオンを等電子イオンと呼びます。

Na+は陽子が11個、Mg2+は陽子が12個あります。Mg2+の方が原子核の正電荷が強いため、同じ10個の電子をより強く引きつけます。

そのため、Mg2+の方がNa+よりもイオン半径が小さくなります。つまり、10個の電子を持つイオンでは、Mg2+<Na+の順になります。

K+とCa2+の大きさを比較する

K+とCa2+も同じように比較できます。この2つはどちらも18個の電子を持ち、アルゴン(Ar)と同じ電子配置です。

K+は陽子数が19個、Ca2+は陽子数が20個です。Ca2+の方が核の引力が強いため、電子がより強く引き寄せられ、イオン半径は小さくなります。

したがって、18個の電子を持つイオンではCa2+<K+となります。

4つのイオンを正しく並べる方法

ここまでの比較から、Mg2+とNa+ではMg2+の方が小さく、Ca2+とK+ではCa2+の方が小さいことが分かります。

次に、電子殻の違いを考えます。Mg2+とNa+は電子数10個で第2周期の電子配置、Ca2+とK+は電子数18個で第3周期の電子配置を持っています。

電子殻が多い18電子のイオンの方が、10電子のイオンよりも大きくなります。そのため、全体の順番は小さいものからMg2+ < Na+ < Ca2+ < K+ではなく、電子殻の比較を考えるとMg2+ < Na+ < Ca2+ < K+となります。

ただし、問題文や教科書によってはイオン半径のデータに基づいて判断する必要があります。実際のイオン半径では、Na+(約102pm)とCa2+(約100pm)が非常に近いため、単純な電子数だけではなく数値確認が必要な場合があります。

なぜMg2+ Na+ Ca2+ K+という答えが間違いになることがあるのか

提示された順番は、基本的な考え方では正しい部分があります。Mg2+とNa+の比較、Ca2+とK+の比較では正しく判断できています。

しかし、Na+とCa2+を比べるときには注意が必要です。Na+は電子殻が2層、Ca2+は電子殻が3層あるため、一般的にはCa2+の方が大きくなると考えます。

つまり、イオン半径を比較するときは、同じ電子数の比較と電子殻の数の比較を組み合わせる必要があります。単純に「2価イオンだから小さい」と考えるだけでは正しい順番になりません。

まとめ:イオン半径は電子数と核の引力で判断する

Na+、Ca2+、K+、Mg2+のようなイオン半径の比較では、まず電子数を確認し、同じ電子数なら陽子数の多い方が小さいと判断します。

さらに、電子殻の数が違う場合は、電子殻が多い方が基本的に大きくなります。今回のような問題では、等電子イオンの比較と周期表上の位置の両方を見ることが重要です。

イオン半径の問題は暗記するよりも、「電子が何層あるか」「原子核がどれだけ電子を引きつけるか」を考えることで、さまざまな組み合わせに対応できるようになります。

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