三角関数を含む広義積分では、積和公式による変形とディリクレ積分の公式を利用することで、積分値をパラメータの関係式として求められる場合があります。本記事では、∫[0,∞](sin((a+b)x/2)sin((a-b)x/2+3π/4))/x dx=0 を満たす実数 a,b の条件を導出する流れを解説します。
まず積和公式で被積分関数を変形する
積和公式 sinαsinβ=(1/2){cos(α−β)−cos(α+β)} を用います。
α=(a+b)x/2、β=(a-b)x/2+3π/4 とおくと、
α−β=bx−3π/4、α+β=ax+3π/4
となるため、積分は
I=(1/2)∫[0,∞]{cos(bx−3π/4)−cos(ax+3π/4)}/x dx
に変形されます。
余弦の加法定理を適用する
cos(θ±3π/4)=-(1/√2)(cosθ∓sinθ) を利用すると、被積分関数は
(1/2√2){(-cosbx-sinbx)+(cosax-sinax)}
となります。
したがって
I=(1/2√2)∫[0,∞]{(cosax-cosbx)-(sinax+sinbx)}/x dx
を得ます。
ディリクレ積分の公式を利用する
実数 c≠0 に対して
∫[0,∞](sin(cx))/x dx=(π/2)sgn(c)
が成立します。
また、フルラニの積分公式より
∫[0,∞](cos(px)-cos(qx))/x dx=ln|q/p|
が成立します。
これらを代入すると
I=(1/2√2){ln|b/a|-(π/2)(sgn(a)+sgn(b))}
となります。
積分値が0となる条件
I=0 を課すと
ln|b/a|=(π/2)(sgn(a)+sgn(b))
が得られます。
ここで符号の組合せごとに場合分けします。
| a,bの符号 | sgn(a)+sgn(b) | 条件 |
|---|---|---|
| a>0,b>0 | 2 | |b/a|=e^π |
| a<0,b<0 | -2 | |b/a|=e^-π |
| ab<0 | 0 | |a|=|b| |
ただし問題文には a+b≠0 の条件があるため、ab<0 の場合は |a|=|b| から b=-a となり、これは除外されます。
最終的な関係式
以上より、積分が0となるのは次の2つの場合です。
- a>0,b>0 かつ b=e^πa
- a<0,b<0 かつ b=e^-πa
いずれも a+b≠0 を満たします。
まとめ
このタイプの広義積分は、積和公式によって余弦・正弦の一次結合へ変換し、ディリクレ積分とフルラニの積分公式を適用するのが基本方針です。
計算の結果、∫[0,∞](sin((a+b)x/2)sin((a-b)x/2+3π/4))/x dx=0 の条件は、a,b が同符号であり、正の場合は b=e^πa、負の場合は b=e^-πa となることが分かります。


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