数学の不等式では、「二乗した後の大小関係」と「元の数の大小関係」が一致しないことがあります。そのため、A²≧B² から A≧B を導けるのか疑問に感じる人は非常に多いです。
特に高校数学では、平方や絶対値を含む不等式を扱う場面が増えるため、「どんな時なら二乗を外してよいのか」を正しく理解することが重要になります。
この記事では、「A²≧B² なら A≧B は成り立つのか?」というテーマについて、反例や具体例を交えながらわかりやすく整理します。
結論:A≧0、B≧0 の条件はほぼ必須
結論から言うと、
A²≧B² から A≧B を言うためには、通常は A≧0 かつ B≧0 という条件が必要です。
なぜなら、二乗するとマイナスが消えてしまうからです。
つまり、二乗後の数だけ見ても、元が正なのか負なのか分からなくなるのです。
反例を見るとよく分かる
例えば、
A=-3、B=2
とします。
このとき、
A²=9、B²=4
なので、
9≧4
つまり、A²≧B² は成立しています。
しかし元の数を見ると、
-3≧2
は成り立ちません。
つまり、A²≧B² だけでは A≧B は保証できないのです。
なぜ「0以上」という条件が必要なのか
二乗のグラフ y=x² を考えると、負の数も正の数も同じ値になることがあります。
例えば、
- 2²=4
- (-2)²=4
です。
つまり、二乗は「符号の情報」を消してしまいます。
しかし、A≧0、B≧0 が分かっていれば、A と B はどちらも正の範囲にいるので、二乗しても大小関係が崩れません。
このときは、
A²≧B² ⇔ A≧B
が成り立ちます。
絶対値で考えると本質が見える
実は、
A²≧B²
は、
|A|≧|B|
と同じ意味です。
つまり比較しているのは、「数そのもの」ではなく「原点からの距離」なのです。
例えば、-5 と 3 を比べると、
- |-5|=5
- |3|=3
なので、二乗すると -5 の方が大きくなります。
しかし元の数では -5<3 です。
この違いが混乱の原因になります。
高校数学では頻出の考え方
このテーマは、高校数学の不等式や関数で非常によく登場します。
特に、
- 平方完成
- 絶対値
- ルートを外す問題
- 二乗して解く方程式
などでは、「二乗してよい条件」を確認することが重要です。
例えば、√A≧√B のような式でも、A≧0、B≧0 が前提になります。
「二乗を外せる場面」の見分け方
数学では、次のように考えると整理しやすいです。
| 条件 | A²≧B²からA≧Bと言える? |
|---|---|
| A,Bがどんな実数か不明 | 言えない |
| A≧0、B≧0 | 言える |
| A≦0、B≦0 | 逆転する可能性あり |
つまり、「正の範囲で比較しているか」が重要になります。
まとめ
A²≧B² から A≧B を導くためには、通常は A≧0、B≧0 という条件が必要です。
二乗するとマイナスの符号が消えてしまうため、A²≧B² だけでは元の大小関係は分かりません。
数学では、「二乗すると情報が失われる」という点を意識すると、不等式の扱いがかなり理解しやすくなります。

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