リーマン多様体における指数写像と正規座標での計量テンソルの示し方

大学数学

リーマン多様体の研究において、指数写像を用いた正規座標系は局所的にユークリッド空間に近似できる重要な道具です。特に、点pを中心とする正規座標系では、pでの計量テンソルが標準的な単位行列となることが知られています。ここでは、その示し方をステップごとに解説します。

指数写像と正規座標系の定義

点pの接空間T_pMから多様体Mへの指数写像は、各ベクトルv∈T_pMに対して、pからvの方向に沿った測地線を1単位時間だけ進めた点を対応させます。

正規座標系とは、T_pMの基底に対応する座標を用いて、多様体上の近傍の点を表す座標系です。この座標系では、原点がpに対応します。

計量テンソルの定義と接空間への引き下げ

多様体上の計量gは、任意の点q∈Mで、接ベクトル同士の内積を定めます。正規座標系では、座標ベクトル場∂/∂x^iを考えます。指数写像を通してこれらをT_pMのベクトルに引き下げると、pにおける座標ベクトルは基底ベクトルに対応します。

pでの計量テンソルがδ_ijになる理由

正規座標系の構成により、pにおける座標ベクトルは互いに直交かつ長さ1になります。すなわち、g_p(∂/∂x^i,∂/∂x^j)=δ_ijが成り立ちます。これは、指数写像により接空間の基底がそのまま多様体上の座標ベクトルとして延長されるためです。

直感的には、正規座標系では多様体の曲率による歪みがpで消えるため、pにおける小さな領域はユークリッド空間と同じ内積構造を持つことになります。

ステップごとの確認方法

  1. 点pの接空間T_pMの基底{e_i}を選ぶ。
  2. 指数写像exp_pを用いて基底ベクトルを多様体上の曲線に対応させる。
  3. 座標ベクトル場∂/∂x^iを対応させ、pでの内積を計算する。
  4. 基底の直交性と長さ1から、g_ij|_p=δ_ijとなることを確認する。

まとめ

リーマン多様体上で指数写像に基づく正規座標系を導入すると、原点であるpにおける計量テンソルは標準的な単位行列δ_ijとなります。これは、接空間での基底がそのまま座標ベクトルとして延長されることと、pでの曲率の影響が消えることによるものです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました