高校数学や大学初級レベルの積分では、「どの置換を思いつけるか」で難易度が大きく変わります。特にarcsinやlog、三角関数が混ざった積分は、一見すると複雑ですが、置換積分や部分積分を使うと整理できます。
この記事では、次の4つの積分について、途中式を省略せずに考え方を解説します。
- (1)∫ e^(arcsin√x) dx
- (2)∫ arcsin √(x / (1 + x)) dx
- (3)∫ sin(log x) dx
- (4)∫ (log(log x)) / x dx
(1) ∫ e^(arcsin√x) dx の解き方
まず、逆三角関数があるので置換を考えます。
t = arcsin√x と置くと、√x = sin t となるので、x = sin²t です。
微分すると
dx = 2sin t cos t dt
よって積分は
∫ e^t ・2sin t cos t dt
ここで
2sin t cos t = sin 2t
なので
∫ e^t sin 2t dt
となります。
これは指数関数×三角関数の標準積分で、公式
∫ e^t sin at dt = e^t(sin at – a cos at)/(1+a²)
を使うと
∫ e^t sin 2t dt = e^t(sin 2t – 2cos 2t)/5 + C
最後に t = arcsin√x を戻して完成です。
(2) ∫ arcsin √(x/(1+x)) dx の解き方
この問題も逆三角関数なので置換が有効です。
√(x/(1+x)) = sin t
と置きます。
両辺を2乗すると
x/(1+x)=sin²t
整理すると
x = tan²t
となります。
微分すると
dx = 2tan t sec²t dt
元の積分は
∫ t・2tan t sec²t dt
ここで部分積分を使います。
u=t, dv=2tan t sec²t dt
とすると
v=sec²t
なので
∫ t・2tan t sec²t dt = t sec²t – ∫ sec²t dt
= t sec²t – tan t + C
最後に x に戻します。
(3) ∫ sin(log x) dx の解き方
log x が見えたら、まず t=log x を考えます。
t = log x
と置くと
x=e^t
dx=e^t dt
よって積分は
∫ e^t sin t dt
になります。
これは標準積分で
∫ e^t sin t dt = e^t(sin t – cos t)/2 + C
です。
t=log x を戻すと
x(sin(log x)-cos(log x))/2 + C
が答えです。
(4) ∫ (log(log x))/x dx の解き方
これは非常に典型的な置換積分です。
t=log x
と置くと
dt=dx/x
なので積分は
∫ log t dt
になります。
これは部分積分で
∫ log t dt = t log t – t + C
よって
log x ・log(log x) – log x + C
が答えです。
こうした積分で重要な考え方
今回の問題は、それぞれ違う形に見えても、本質は「置換積分」です。
| 特徴 | 使う発想 |
|---|---|
| arcsin がある | 三角置換 |
| log x がある | t=log x |
| 指数×三角関数 | 標準積分 |
| log(log x) | 内側を置換 |
「複雑そうに見える式ほど、まず置換を疑う」のが積分の基本です。
まとめ
今回の4問は、どれも置換積分と部分積分の組み合わせで解けます。
特に重要なのは、「どこを新しい文字に置き換えると式が単純になるか」を考えることです。
積分では計算力よりも、“式変形の発想”が大切になる場面が多くあります。最初は難しく見えても、パターンを知るとかなり整理して考えられるようになります。


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