関数のグラフの下側に入る三角形の面積最大化問題では、「どこに頂点を置くと最も広い面積になるか」を考える必要があります。特に、接線や対称性を利用する問題では、図形的な発想と不等式の感覚の両方が重要になります。
今回の問題では、偶関数として定義された関数 f(x) に対して、点 P(p,f(p)) を固定したときに、x軸上の2点Q,Rを動かして三角形PQRの面積を最大化します。
そして最終的に示したいのは、どんな p に対しても
M(p)≦M(0)
が成り立つことです。
まずM(0)=4を確認する
問題文の誘導では、P=(0,1/e) を通り、y=1/x に接する直線を求めています。
この直線が、実は「最大面積を与える境界線」になります。
接点を (t,1/t) とすると、接線は
y=-1/t^2・x+2/t
です。
これが P=(0,1/e) を通るので、
2/t=1/e
より
t=2e
となります。
したがって接線は
y=-1/(4e^2)x+1/e
です。
x軸との交点は x=4e なので、底辺の長さは 8e、高さは 1/e です。
よって面積は
1/2×8e×1/e=4
となり、
M(0)=4
が分かります。
なぜM(p)は4を超えないのか
ここで重要なのは、関数 f(x) の形です。
| xの範囲 | f(x) |
|---|---|
| 0≦x<1/e | 1/e |
| 1/e≦x<1 | x |
| x≧1 | 1/x |
さらに偶関数なので左右対称です。
特に x≧1 の部分では、グラフは y=1/x です。
この曲線は下に凸であり、任意の接線はグラフの上側に位置します。
つまり、Pを通る接線より上には三角形を広げられません。
面積最大のときは接線が境界になる
三角形PQRの面積を大きくしたいなら、底辺QRをできるだけ広く取りたいことになります。
しかし、三角形全体が y≦f(x) の範囲に入っていなければなりません。
そのため、辺PQやPRを外側へ広げていくと、最終的にはグラフに接するところで限界になります。
これは「最大値問題で接線が現れる典型パターン」です。
つまり、最大面積を与える三角形では、斜辺がグラフに接している必要があります。
P=0のときが最も有利になる理由
P=(0,1/e) は、関数の“最も高くて平らな部分”にあります。
この位置では、左右対称に大きく底辺を伸ばせます。
一方、p≠0 にすると、点Pは右または左へ移動します。
すると、どちらか一方の側でグラフが低くなり、三角形を広げにくくなります。
特に x≧1 の部分では f(x)=1/x なので、x が大きくなるほど高さが急激に小さくなります。
つまり、Pを中心からずらすほど、底辺を十分に確保できなくなるのです。
その結果、最大面積は中央配置である p=0 の場合を超えられません。
幾何的には「左右対称」が最大効率
この問題は、図形的に見ると「左右対称な配置が最も効率よく面積を取れる」という問題でもあります。
P=(0,1/e) のときは、左右に同じだけ伸ばせるため、最も大きな底辺を確保できます。
一方で p≠0 になると、片側が窮屈になり、面積効率が落ちます。
これは放物線や双曲線の最大面積問題でも頻出する考え方です。
不等式としての考え方
最大面積 M(p) は、「Pを通る許容直線のうち、最も広い三角形を作るもの」で決まります。
しかし、P=(0,1/e) のときに得られた接線は、すでに対称性を最大限利用した形になっています。
したがって、他の p に対しては、それ以上の底辺長を実現できません。
よって、
M(p)≦4=M(0)
が成り立ちます。
まとめ
この問題では、接線と偶関数の対称性が重要な役割を果たしています。
P=(0,1/e) のとき、y=1/x に接する直線を利用すると、最大面積は4になることが分かります。
さらに、Pを左右に動かすと、グラフの低下によって底辺を十分に広げられなくなるため、面積は小さくなります。
そのため、どんな p に対しても
M(p)≦M(0)=4
が成立します。
このタイプの問題では、「最大のときは接線になる」「対称配置が最適」という発想が非常に重要です。


コメント